episode１７ ページ19
羽風薫。
UNDEDの二枚看板の一人で、甘いマスクに甘い歌声、さらにさらに糖度たっぷりのファンサービスで女性中心に爆発的な人気を呼んでいる。
彼も夢ノ咲出身で、事務所はなずなくんと一緒のリズリンだ。
まともに生きてたら仁兎なずなとアイス食べたたら羽風薫に遭遇する日が来るとは思わないよね普通。
どんな夢小説ですかっていうくらいの展開だ。
「へ〜。あ、はじめまして〜俺は羽風薫。よろしくしてね〜君の名前は？」
初対面にしてはぐいぐいくる羽風さん。
えと、と少し詰まってから返す。
「A、です。こちらこそよろしくお願いします」
かしこまってるな〜と羽風さん。
「Aちゃんはなずなくんの同級生？」
「は、はい……！」
「じゃあ俺とも同い年じゃんタメでいいよ〜」
とは言われても、と少しためらう。
なんだか申し訳ないのだけれど、なずなくんより親しみやすさに欠けるというか。
少しチャラい印象を受ける。偏見だけど。
「薫ちんもこのお店知ってるんだな」
なずなくんが会話に入ってくれた。
「たまたま通りかかって。せっかくだし行ってみよってことになったんだよね」
「なるほど」
リアル羽風薫はそれはそれは顔が小さくて、スタイルがよくて、なんかいい匂いがした。
やばい背徳的ってなんだっけ、なんて思っていると、
「なにが"たまたま"なわけ……？ 無理やりかおくんが連れてきたんでしょ〜」
真打の登場に目を、耳を、そしてここが現実か否か疑う。
もうアイスクリームを食べる余裕なんてない。
目の前に、泉くんがいる。
「お、泉ちんも来てたんだな。お前らほんと仲いいよな」
「あーここなずにゃんのお気に入りだっけ？ 明らかカロリーオーバーだけどいいセンスしてるじゃん」
え、待ってくださいお願いします。
泉くんって「なずにゃん」って呼んでるの？
いやかわいすぎるんだが。
この胸の高鳴りをどう沈めたらいいんだよ。
うわぁあと悶絶しているとなずなくんと目が合った。
あ、と思う。
なずなくんは、私が泉くんのファンであることを知っている。
そんな彼は、まかせろとでも言うように親指を立ててウインクをした。
その仕草のなめらかなことといったらもう。
「あれ、その子は？ ──って」
泉くんと目が合う。
思い出したような表情をした泉くんは、目を丸くした。
「Aはおれの大学の友達だけど……え、知り合い？」
泉くんは、少し気まずそうに目をそらして、それからまた視線を絡めると、
「ひさしぶり、Aさん」
まさかの敬語が外れた挨拶をくらった。
冷静な思考回路など、もはや存在していない。
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咲愛(プロフ) - ﾂｷさん» コメントありがとうございます！始まった頃から読んでいただけているとは、大変うれしいです！続きは本日中に公開出来たらと思ってますので、ぜひぜひ今後ともよろしくお願いします！ (2023年2月22日 16時) (
レス) id: 8b89f62398 (このIDを非表示/違反報告)
ﾂｷ(プロフ) - この作品が始まった頃から楽しく読ませて頂いてます！毎日更新が楽しみで素敵な作品に出会えたなと思いました！続き楽しみに待ってます！ (2023年2月21日 22時) (レス) @page50 id: 56454ebf31 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：咲愛 | 作成日時：2023年1月27日 12時
