キャラメルソルト・シュガー (ページ20)

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珍しく翔太くんがミトちゃんに構ってない。

明日は槍が降るのかも。

そう思っていると先程から一人ソワソワしていた翔太くんが私の方にやって来た。

他のメンバーは
阿部ちゃんのクイズで盛り上がっている。

『どうしたの？』

渡辺「その、さ。

事務所で話してるとその、聞こえるから、意外と」

『⋯⋯あー、』

渡辺「悪い。聞くつもりはなかったんだけど」

『いや、別にいいよ。
翔太くん樹くんと仲良いもんね』

気まずそうに目を逸らす翔太くん。

ごめん、違うんだって。

『本当に好きだったんだよ。でもそれだけ。
ジャニーズを辞めてまで一緒にいようとは思えなかったの』

きっと恋なんてそんなもの。

結局、最後に選ぶのは他人より自分なんだよ。

そうじゃなきゃ
私が酷い人間ってことになっちゃうでしょ？

私が人の痛みを知れないみたいになるでしょ？

渡辺「⋯⋯

めっちゃ分かる」

『えっ、』

渡辺「どんなに好きな相手がいても今の生活をドブに捨てる覚悟は持てねぇ。俺もそうだと思う、きっと」

「だからお前は悪くないよ」と翔太くんは言った。

そして何故か頭を撫でられる。

いつもミトちゃんがやられてるみたいに。

渡辺「女なんだな、お前も」

『それってどういうこと？』

渡辺「別に〜？」