075 ページ30
【NOside】
廊下から台所を抜け、お風呂場へ走ってきたA。
湯船に討伐目的だった3級の呪霊がおり、彼女に気付いたその呪霊がとびかかって来た。
Aは奥に滑り込む形で瞬時に身を低くし、呪霊を躱す。
3級の呪霊は彼女を追いかけてきていた呪霊の手によって握り潰された。
Aは体勢を立て直すと足の裏に呪力を籠め、壁を蹴り、呪霊の腕を斬り落とす。
再び攻撃を仕掛けてくるだろうと短刀を抜いたまま構えていたが、それ以上何もしてくる気配はなく、大人しく戻っていく。
A(諦めた…わけないよね。でもこのままなら夏油さんの後ろに回れる。まあ構えてるだろうけど)
お風呂場を出たAは再び廊下へ出る。
なるべく気配は消して忍び足で歩き、距離を詰めていく。
最後の角に差し掛かり、そっと顔を覗かせると夏油は玄関の方を向いたままこちらに背を向けていた。
気付いているのかいないのか…出来るならこのまま逃げ出したいところだが。
夏油「残念ながら」
大きめの声が放たれて緊張していた身体がビクリと大きく反応する。
夏油「もう時間のようだ」
夏油がこちらを向いて溜息をつく。
外からバタバタと足音が聞こえてきたため、異常を感じた野々宮が様子を見に来たのだろう。
夏油「邪魔が来てしまっては引き下がるしかない。君以外の高専の連中に私の姿を見られるわけにはいかないのでね」
A「ま、待って…!」
良くないと分かっていながらもAは立ち去ろうとする夏油を呼び止めた。
鞘の納めた短刀をギュッと握り締め、「一つだけ…」と恐る恐る問う。
A「その身体は本当に夏油さんのものなの…?姿をコピーしたとかではないの?」
夏油はフッと笑い、自分の首を触る。
夏油「残念ながら夏油傑本人のものだよ。さすがに能力をコピーすることは難しいからね」
答えを聞いて落ち込むAを余所に夏油は「それじゃあ」と軽く手を振りながら姿を眩ました。
.
341人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
更紗和金(プロフ) - マリオットさん» 一気みしてくださったとは…とても嬉しいです。こちらこそこんな自己満足作品を読んでいただきありがとうございます! (2022年10月2日 18時) (レス) id: b1ab373c3f (このIDを非表示/違反報告)
マリオット - 一気みしました!!すごいです!この小説書いてくれてありがとうございます!! (2022年10月1日 11時) (レス) @page3 id: 4a1e7dbbbb (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:更紗和金 | 作成日時:2022年9月25日 18時