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【NOside】
伊豆から高専に帰った翌日、五条は出張と称してアフリカへ発った。
以前から虎杖のことを伝えるために乙骨へ会いに行くことを聞いていたAは「憂太くんによろしくね」と言伝を頼んだ。
五条は一緒に行かないかと誘ったが、これ以上虎杖の食生活を放っておくわけにはいかないとAが断った。
虎杖が料理上手なことは存じているが、交流会が近いため少しでも修業に時間を当てて欲しいという気遣い故だ。
五条が不在の間は七海に任せていると聞いたので日中はいつも通りAも任務にあたる。
車での移動中、担当の補助監督の野々宮が少し悪い笑みを浮かべた。
野々宮「しばらく五条さんいないんだって?寂しいねぇ」
A「仕事だから仕方ないよ。来週には帰ってくるし」
野々宮「交流会もあるもんねー。Aも都合が合うなら観戦させてもらえば?色んな術者見られるよ」
A「任務のタイミングが合うならそうしようかな」
「五条さんに言ったらどうとでもしてくれるよ」と笑う彼女にAは苦笑いを浮かべる。
その分誰かに任務が回ることを考えると複雑でならないからだ。
やはり自分から申し出るのはやめようと思う。
現場に到着し、任務の内容を野々宮と共に確認したAは降ろされた帳の中へ入る。
持ち主が分からないまま長年放置されていた廃屋に呪霊が湧いたらしい。
近くには墓場や長年手入れされていない小さな神社もある。
A(何だかここすごく怖い…早く終わらせよう)
呪霊の気配を探りながら無駄に広い家の中を慎重に進んでいく。
ふと居間から強い気配を感じて、廊下を歩いていた足を止める。
任務では3級レベルの呪霊が二体だと聞いていたが、この気配は2級……いや、それ以上だ。
Aは少し考えた末、来た道を戻る。
自分では敵いそうにない呪霊がいることを野々宮に伝えるべきだと判断した。
長い廊下を戻り、ようやく辿り着いた玄関が見えてきて少し安心していた時…
「おや、どこへ行くんだい?」
背後から聞き覚えのある声がした。
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更紗和金(プロフ) - マリオットさん» 一気みしてくださったとは…とても嬉しいです。こちらこそこんな自己満足作品を読んでいただきありがとうございます! (2022年10月2日 18時) (レス) id: b1ab373c3f (このIDを非表示/違反報告)
マリオット - 一気みしました!!すごいです!この小説書いてくれてありがとうございます!! (2022年10月1日 11時) (レス) @page3 id: 4a1e7dbbbb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:更紗和金 | 作成日時:2022年9月25日 18時