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抑えられた照明の光と影の演出は、
決して広くないこの部屋に不思議な
奥行きを与えていた。
加えて、締め切った窓が昼とも夜とも分から
なくする。
表の世界から遮断され、切り取られた空間。


真ん中には、重心の低い大きな大きなベッド
があって、光沢のある白いシーツが波立って
いる。
しゃりしゃりと空気を震わす音をたて妖しく
絡み合うのは、俺のよく知る二人の姿だった。


恐らく剥ぎ取られたのであろうシャツとズボ
ンが床に点々と投げ出され、剥き出しにされ
たいのちゃんの身体が力無く弾んでいる。

対して、薮ちゃんはいつもと変わらず着こな
したスーツの上着だけを脱いだ格好。
僅かにずらしたスラックスから覗く自身で着
実に激しくいのちゃんを責め立てていた。



「…ぁぁっ、やぁ、だっ……ああっ、んぁ…」



「嫌だじゃないだろ…こんなにしといてっ、」


天井が軋む理由。

そこにはお互いが紡ぐ言葉に反して、
どろどろに蕩けた顔をしたいのちゃんと


泣きそうに顔を歪める薮ちゃんがいた。


扉が開いたことも俺が突っ立っていることも
二人には届いていない。
この部屋に、俺は無用の産物でかろうじて立
会人になることを許されただけ。



「…んぁ、だ、ぁめ……ああっ、ん」


「……駄目じゃねぇよ、どっちにしろ

俺もお前も、もう…戻れないんだ…」


何かを拒むいのちゃんに、薮ちゃんは酷くイ
ライラしている様に見えた。
頭上で束ねた細腕を更に強く押さえ込み、ぎ
りぎりと爪をたてる。


「あ゛あ゛…っ、いたぁ…いっ…」


同時に激しく揺すられていのちゃんは、一際
甘い声をあげた。
痛みですらたまらないといった様子で丸まっ
た足先が宙をきる。


ギシ、ギシッ、 ギヂ ……


ガタ、 ガタ、ガタン、ッ ……



スプリングが跳ねて、いのちゃんが受けとめ
きれない薮ちゃんの重みが床を軋ませる。


グチュ…グチュ…、


重なりあったところから湿っぽい音がして、
かき回す程に粘度が高くなっていく。


「……はぁ、ぁ……っ、い、のぉ…」


苦しげに呻くのは、やっぱり薮ちゃんの方。
絡み付くいのちゃんに心も身体も囚われて、
身動き出来きない筈なのにただただ必死に腰
を揺らす。

次第に速度が上がり、いのちゃんの太腿が更
にグイッと深くたたまれた。



「ああ…もう、もぅ……だぁ、め…っぇ…」



それだけを言い残し、いのちゃんは果てた。
吐き出す飛沫が見えた気がした。

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設定タグ:Hey!Say!JUMP , BL   
作品ジャンル:恋愛
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ぴよ(プロフ) - あいとさん» あいとさん、ありがとうございます( ´∀`)凄く久しぶりに二人に想いを馳せてみました。私もここ迄辿り着く過程を思うと万感の思いです。幸せに過ごしてほしいなぁ♪ (2018年6月25日 12時) (レス) id: 20d979f9fd (このIDを非表示/違反報告)
あいと(プロフ) - ぴよさん!ろくでもない夜にファンの私にはとても嬉しいお話でした!この日までよく頑張ったね二人…、いのちゃんこれからは大好きな人にだけ甘やかしてもらうんだよ…となぜか親心…(笑)素敵なお話ありがとうございました! (2018年6月24日 7時) (レス) id: 6689a85a28 (このIDを非表示/違反報告)
ぴよ(プロフ) - にゃーごさん» にゃーごさんこちらにもありがとうごさいます。このお話は当然完璧なフィクションなのですが、その中でも心の動きがなるべく自然に繋がる様にそれぞれの気持ちを想像して書きました。同じ様に感じて貰えて嬉しいです( ´∀`)妄想は最高ですね 笑 (2017年4月28日 22時) (レス) id: 515f116419 (このIDを非表示/違反報告)
にゃーご - ぴよさん こんにちは。私がぴよさんに夢中になった作品は実はこの作品でした。あの子は実はこんな気持ちじゃないかな?なんて妄想が広がった時に胸にトンと降りてきてもう、ぴよさんワースドから抜け出せません。 (2017年4月28日 9時) (レス) id: a963f855a1 (このIDを非表示/違反報告)
ぴよ(プロフ) - 綺更さん» コメありがとうごさいます。最後まで読んで下さってとても嬉しいです。私も書きながらもどかしく、皆を幸せにしてあげれるのか不安になったりもしたのですが、無事完結出来てホッとしています。涙ぐんで頂けたの事で感激です!また面白いお話をお届け出来る様頑張ります (2017年1月14日 3時) (レス) id: 515f116419 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ぴよ | 作者ホームページ:http  
作成日時:2016年8月30日 20時

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