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「……怒らないの?
僕のしたこと色々最低だよ。」
嫌悪感たっぷりの台詞を自分自身にぶつけな
がら、何で怒らないのかと知念が首を傾げる。
「怒ってないもん。
久々にゆっくり寝れたわ。
上質な睡眠薬をありがと。
知念は、良い三代目になるね 笑」
知念ならこの街で、自分らしく生きていける。
色んな痛みを知るひとは、それだけで強い。
逃げずに立ち向かうならもっと強い。
「 涼介ってやっぱり馬鹿だよ。
ほだされやすくて、騙されやすい、
心配でひとりになんて出来ない。」
呆れた様にため息をついた知念は、正面から
もう一度俺の背中に腕を回した。
小さい俺達は、抱き合ってお互いを確かめ合
う。
知念は、大切な親友。
“ 友情 ”と“ 愛情 ”のちょうど真ん中。
そこに立つのは、知念以外あり得ない。
これまでも、これからも。
「こんな俺だけど、よろしくな。」
「そんな涼介だからほっとけないの。
……もう、あんまり泣かせないでよ。」
知念は、今度こそ俺の前で声を上げて泣いた。
全てを解放したその姿に、逃げてばかりの
自分が恥ずかしくなった。
“あいつの代わりにするな”
叫んではみたものの、答えを受け入れること
を拒んだままの俺。
帰らなくちゃ、帰っていのちゃんの答えを
ちゃんと聞かないと俺は、前には進めない。
どんな結末が待っていても、この四年間は
嘘じゃないもの。
結局、二人とも学校はサボる事になった。
今日は、月曜日だったのかと気付いたのは
今更だったし、何より校内のアイドルと称さ
れる俺達の顔では無い。
お互いに泣きはらした目は真っ赤で腫れぼっ
たく、知念に至っては声もがらがらなのだ。
出前で空腹を満たし、また少し眠った。
今度は、各々で毛布に丸まる。
知念の部屋を辞したのは、16時を過ぎた頃。
街にはちらほら学校帰りの制服が見え始める
時間だ。
昨夜、一心不乱に駆け抜けた道を
今日は淡々と着実に進んでいく。
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ぴよ(プロフ) - あいとさん» あいとさん、ありがとうございます( ´∀`)凄く久しぶりに二人に想いを馳せてみました。私もここ迄辿り着く過程を思うと万感の思いです。幸せに過ごしてほしいなぁ♪ (2018年6月25日 12時) (レス) id: 20d979f9fd (このIDを非表示/違反報告)
あいと(プロフ) - ぴよさん!ろくでもない夜にファンの私にはとても嬉しいお話でした!この日までよく頑張ったね二人…、いのちゃんこれからは大好きな人にだけ甘やかしてもらうんだよ…となぜか親心…(笑)素敵なお話ありがとうございました! (2018年6月24日 7時) (レス) id: 6689a85a28 (このIDを非表示/違反報告)
ぴよ(プロフ) - にゃーごさん» にゃーごさんこちらにもありがとうごさいます。このお話は当然完璧なフィクションなのですが、その中でも心の動きがなるべく自然に繋がる様にそれぞれの気持ちを想像して書きました。同じ様に感じて貰えて嬉しいです( ´∀`)妄想は最高ですね 笑 (2017年4月28日 22時) (レス) id: 515f116419 (このIDを非表示/違反報告)
にゃーご - ぴよさん こんにちは。私がぴよさんに夢中になった作品は実はこの作品でした。あの子は実はこんな気持ちじゃないかな?なんて妄想が広がった時に胸にトンと降りてきてもう、ぴよさんワースドから抜け出せません。 (2017年4月28日 9時) (レス) id: a963f855a1 (このIDを非表示/違反報告)
ぴよ(プロフ) - 綺更さん» コメありがとうごさいます。最後まで読んで下さってとても嬉しいです。私も書きながらもどかしく、皆を幸せにしてあげれるのか不安になったりもしたのですが、無事完結出来てホッとしています。涙ぐんで頂けたの事で感激です!また面白いお話をお届け出来る様頑張ります (2017年1月14日 3時) (レス) id: 515f116419 (このIDを非表示/違反報告)
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