鬼になった私と鬼を妹にもつ貴方〈竈門炭治郎夢〉

9話 ページ9

.






『ご報告に参りました。無惨様』

「………遅かったな」




無惨は子供の器になっていた。
静かにAを睨みつける。
まるで忠誠心を試すかのように見ている。




『申し訳御座いません。上弦の参が苦戦しており途中から参戦したら陽光が上がってきてしまいました。』

「そんな言い訳は聞きたくないよ。」




無惨は目の前にどこからとも無く子供を連れてきた。
「やめて、離して！！」と泣き叫ぶ子供の喉を思いっきり掴む無惨

「っ…か…あ」と苦しそうにする子
そしてその子を私の目の前に差し出す。



『………食事は済ませてきました。』

「________逆らうのか？」

『御意』





無惨はから子供を受け取る。
私の腕に掴まれている子供は大粒の涙を流しながら私を見つめる。

(苦しい…嫌だ…)




「た…すけ……」



グシャッ
音と共に子供を殺す。
そして無惨の目の前で子供を食べ始める。

(味が違う。_______稀血の子か…)




全て食べ終わるとAは無惨に腰を引かれた。
そして頬に着いている血をペロッと舐められた。





「残すんじゃないよ…」

『申し訳御座いません。』



ドスッと地面に倒された。
そして「口をお開け」と言われて言うとおりにすると無惨の血が大量に体内へ入ってきた。



『っ…あ…ガバッ……』




いつもより多い、濃い、キツい…っ！！
濃度がやばい。

頭がクラクラする…痛い、激痛、死にそう





「…………いつもより多く入れたよ」

『む…ざん様…っ』

「…あぁ、美しいな…A」




悶え苦しむ私を見て奇妙な顔をする無惨




だんだんと順応してきた。
痛む身体を起こして、無惨の元を去る。


自分の部屋に入り、シャワーを浴びる。






(ごめんね…本当にごめんね……)



子供の顔が頭から離れない。
どちらにしろ助けれなかった。


けど、あの子を殺す、その判断は絶対に間違っていたはずなのに……





『心まで鬼になってしまう…』






タスケテ………









.

10話→←8話

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す