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朝から銃声が鳴り響く。と言っても人を殺すようなものではなく、何も知らない人が見ればBB弾が弾になっているおもちゃにしか見えないだろう。
「なんか、面白いわね、こう見ると。」
少女は教室の入り口の戸を少しだけ開け、中を覗いていた。
「銃弾というのは、結構遅いんですね。」
「咲夜、普通の人間からすれば充分はやいと思うわよ。あの銃弾より早く動ける人間なんでなかなかいないわ。」
まぁ、この速度じゃ私達には銃はいらないかもねぇ。と少女は小さく呟く。この2人からすればナイフを持って飛びかかったほうがよっぽど速く銃は特に意味を成さないだろう。
「にゅやぁ…今日も命中弾ゼロです。」
「でしょうね。」
弾幕の密度が低いし自機狙いばっかじゃなくてランダムの弾をもっと増やして、というか自機に弾が追いついてないし…。少女は小さく呟く。
「A様もなかなかハードな事を言ってる気がするのですが…。」
そんなやりとりをしているうちに2人の名前が呼ばれる。少女達はゆっくり戸を開け中へ入っていく。
「はじめまして。A・スカーレットです。」
「十六夜咲夜ですわ。」
「これから3月まで、E組に入ることになりました。宜しくお願いしますわ。まぁ、宜しくしなくても良いけれど。」
「…それだけですか?」
「え?それだけって、それだけよ。というか他に何か言う事あったかしら…。」
ちょっと考えたような仕草をしたあと、あっと思い出したように話し始める。
「私達が暗殺者かどうか、話してませんでしたね。貴方達もそこは気になるでしょう、私達に賞金がとられないかどうか。」
「A様、良いのですか?そこまで話してしまって。」
「問題ないわ。じゃあ早く本題に入りましょう。貴方達が聡明ならば恐らく私達が唯の転入生ではないことくらい予想がついているでしょう。ご想像の通り、私達は普通ではありません。とはいえ、暗殺者というわけではありません。事実、私も咲夜も銃は触ったこともありません。ナイフの方はそこそこ扱えますが…。それは今はいいとしましょう。また、私達は貴方達の暗殺に対して、一切手出しするつもりはありません。邪魔をする気もなければ協力する気もないと思ってください。最後に、私達は国との関係がありません。貴方達から見れば私達は第三勢力になるでしょう。…こんなものですかね。」
「ねぇねぇ、そんなことよりさぁ。」
赤髪の少年が口を開く。
「さっきの咲夜さんの"様"って何?そういう趣味?」
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作者名:夜桜 | 作成日時:2020年10月10日 18時