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夜遊び「死神」 ページ9

「これで最後かな」

町外れの集会所にある掲示板に紙を貼る。
日中であれば近隣住民で賑わっているこの場所も夜では、ひっそりと静まり返っている。

「それにしても、これだけで良かったのかなぁ……」

と掲示板の前で首を傾げる小さな影が一つ。
災鬼の一匹であり幹部の一人、識だ。
彼は首領であり父でもある疾夜にある紙を町中に貼り付けて来るよう命令されていた。
その紙には悪戯としか思われない様なものしか書かれておらず「何故こんな物を?」と不思議に思っていた。

「でもお父様のことだもん、きっと意味があるんだよ」

そう一人で納得し、考えるのをやめて立ち去ろうとした時だった。

「お、おい!そこで何をしている!」

後ろから何者かの怒鳴り声。
緊張でもしているのかその声は少し震えていた。
識が振り向くと灯篭を持った軍服姿の男がいた。

「何って、お父様のおつかいだけど……おにーさんだあれ?」

「お、俺は夜桜災鬼殲滅部隊の一員だ。このバッジを見たら分かるだろ?そ、それよりもお使いってなんだ?」

と男は胸元に付いた桜型のバッジを指差す。

「へぇ……ふふふ、だったら遠慮は要らないよね」

そう言って目の前の子供の姿が消える。何が起こったと言わんばかりに辺りを見回す男。
悪寒を感じ身構えようとしたその時。

「っ!ああああ!!」

男の悲痛な叫び声が辺りに響く。

「人って単純だよね。ちょっと傷つくとみんな怖がってくれる」

能力を使い、男の腕を切り落として男の背後に回った小さな鬼が呟く。
だが男にその呟きに答える余裕は無かった。
そんな男の様子を見て小さな鬼は満足げに言った。

「んふふ……良い恐怖だよ、おにーさん。でももっと、もっと頂戴。だから、ね。遊ぼうよおにーさん」

ーー翌日、四肢を切り落とされ、苦悶の表情で死んでいる隊員が見つかったそうだが……それはまた別のお話。

褒め言葉か〈モモハ〉→←違う。《瑠飴》



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詩学音丸(プロフ) - 更新終わりましたー! (2018年10月10日 12時) (レス) id: b3b81574c1 (このIDを非表示/違反報告)
詩学音丸(プロフ) - 更新させて頂きます! (2018年10月10日 12時) (レス) id: b3b81574c1 (このIDを非表示/違反報告)
瑠飴 - 夜狐さん» 了解です! (2018年10月8日 20時) (レス) id: 015f09e847 (このIDを非表示/違反報告)
夜狐(プロフ) - 瑠飴さん» 大丈夫ですよー、以後気をつけてくださいねー (2018年10月7日 13時) (レス) id: dee1d215ab (このIDを非表示/違反報告)
瑠飴 - 夜狐さん» アッアッごめんなさい忘れてました() (2018年10月7日 13時) (レス) id: 015f09e847 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:夜狐 x他5人 | 作者ホームページ:(*´∀`*)  
作成日時:2018年9月30日 22時

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