【10月編】もしも仮装した姫ちゃんが現れたら【荒北靖友】 ページ5
今日もハードな練習をした後、寮への帰り道、真っ白な白猫が俺の前に現れた。
首輪は着いてねぇけど、野良にしては綺麗な猫だと思って手を出すと、白猫は茂みに消えていく。
・・・チッ。
何故か俺は猫に逃げられる運命らしい。
何となく、今の白猫はあいつに似てたと思う。
そういえば、あいつと初めてあった日には『猫姫』なんて呼んだっけ。
そんなこと考え出すと茂みに消えた白猫が気になって、後を追うように茂みに分け入る。
探すつもりだったがすんなりと白猫は見つかった。
何故か猫耳しっぽの姫と一緒に。
って、何でここにいやがるんだ・・・そんな格好で・・・。
「あ。荒北さん。こんばんは」
「って、何でここにいんだよ?猫の格好なんてオマケつきでよ?」
可愛い過ぎんだろ。
てか、その格好でここまで来たのか?危ねぇ。
「そうでした。えっと。トリックオアトリートですよ」
「あん?姫お前まさか、それ言う為にここに来たんかヨ・・・」
「はいっ」
まさかの出来事に脱力した俺を姫は怒っていると勘違いしたらしい。
取り合えずここから離れねぇと新開や東堂なんかに見られた日には、俺がやらせてると思われかねねぇ・・・。
「ああ、くそ。こっちこい」
「ふわぁっ!?」
白猫は驚いて逃げて行ったが、今はとにかくこっちの白猫を何とかしねぇとと姫にトレーニングジャージの上着を脱いで被せると抱え上げて寮の俺の部屋に駆け込んだ。
クッションなんて置いてねぇからとりあえずベッドに姫をおろしてから気づく。
何で俺は自分の部屋に姫を連れてきちまったんだ。
これじゃ更に状況が悪化してんじゃねぇか!
「あの。おかし・・・いたずら・・・」
「それどころじゃねぇし!つーか、もう既に十分イタズラになってっしっっ!?菓子だぁ!?んなもんねぇよ!」
思わず全力でツッコミを入れちまったが、姫は怒られたと勘違いしたのか、大きな目に涙の膜が張った。
「泣くなって!・・・・まじで菓子はねぇんだわ」
「い、いたずら・・・」
「チッ。仕方ねぇ。受けてやんよ。そのイタズラ」
そう言ってネコ耳を撫でてやると、姫はホッとした顔をした後、固まった。
・・・ん?
固まった?
もしかして、こいつ・・・。
「考えてなかったんかよ・・・」
「・・・えへへ」
いや、もう十分過ぎるくらい困らされてっから。
まあ、たまにはこんな日も悪くねぇ・・・か。
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瑠璃色の夢(プロフ) - ダリアさん» 温かいコメントありがとうございます^^いつもお気遣いいただいて本当に嬉しいです♪思いつきでお話をばら撒いておりますが楽しんでいただけて幸せです。今後も頑張りますのでよろしくお願いいたします(*^^*) (2019年12月24日 22時) (レス) id: d25e595259 (このIDを非表示/違反報告)
ダリア - 後、あまり無理は為さらないで下さいね?更新お待ちしてます^_^ (2019年12月24日 20時) (レス) id: 7c4b8b3529 (このIDを非表示/違反報告)
ダリア - 遂に番外編まで来ましたね!嬉しいです!今回も楽しかったです。皆素敵でずっとにやけながら、...ヤバい。...スキ。という状態になってました。体調に気を付けて頑張って下さい♪ (2019年12月24日 20時) (レス) id: 7c4b8b3529 (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃色の夢(プロフ) - すももさん» お祝いのお言葉ありがとうございます^^そして温かい気遣いのお言葉、とても励みになります♪本編も完結できるように頑張りますのでよろしくお願いいたします(*^^*) (2019年12月10日 8時) (レス) id: d25e595259 (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃色の夢(プロフ) - ふたばさん» お祝いのお言葉ありがとうございます^^今月は番外偏は難しいですね。ごめんなさい(土下座)年末年始はドタバタなので更新頻度がかなりゆっくりになります><ご容赦ください。今後も頑張りますのでよろしくお願いいたします(*^^*) (2019年12月10日 8時) (レス) id: d25e595259 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:瑠璃色の夢 | 作成日時:2019年9月27日 18時