【文化祭編】キャットハント 06 ページ13
私はしょんぼりしながらも何とか口を開く。
「う・・・・。お見苦しいでしょうけど、文化祭が終わるまで、先輩たちと会わないように頑張りますから・・・あの・・・」
「ち・・・」
「え・・・?ち・・・?」
「ちっっっがーうっっ!」
「ひゃっ!?」
手嶋先輩は物凄く溜めて違うと叫ぶと、急に立ち上がって私の肩に手を置いた。
ち、違うって何だろう・・・?
「姫・・・。お前はちっとも分かってない」
「・・・ん。まったく、ちっとも」
「え?え??」
「可愛すぎんだろ!」
「・・・・え?あ、はい。私が着るのはもったいないくらい、可愛いですよね」
「・・・・。純太。どんまい」
チーン・・・という音が鳴るのが聞こえたような気がするくらい、手嶋先輩は目が点になっている。
青八木先輩に手を引かれて、先輩を見上げる。
「キャットハント。隠れるんでしょ?・・・こっち、おいで」
「あ、はい。10分ほどお願いします」
教室に入れてもらうと、手嶋先輩たちのクラスの先輩方がわっと沸いた。
えっと・・・何だか、歓迎されてる・・・のかな?
中は射的と書かれた看板がかけられていて、景品がテーブルで作られたカウンターの向こうにたくさん並んでいた。
大体がUFOキャッチーで取ったぬいぐるみとからしいけど、他にも雑貨やお菓子とかいろいろだ。
多分目玉景品は、絶対倒れなさそうな50センチくらいありそうなクマのヌイグルミだと思う。
楽しそうだなぁと思っていると、手嶋先輩がせっかくだからやってみろよと言ってくれる。
射的用の銃は駄菓子屋さんをしているお家からの借り物だそうだ。
5つのコルクで出来た玉を受け取ると、手嶋先輩が詰めて渡してくれた。
「あ、ありがとうございます」
「ん。しっかり前に乗り出して撃てよ?」
そう言われてこうかな?とテーブルに体を預けようとして足が着かなくなってジタバタしてしまった。
周りでは先輩方が『ぐはっ』とか、『尊い』とか言ってるけど、私は必死なのだ。
1つめは明後日の方向へ飛んで行ってしまったにも関わらず、周りでは『おしいいぃぃっ』と盛り上げてくれる。
なんて素敵なクラスなんだろう・・・。
結局4つの玉は掠りもしなくて、あと1つの玉をしょんぼりしながら見つめる。
絶対当たる気がしないんだけど・・・。
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瑠璃色の夢(プロフ) - ダリアさん» 温かいコメントありがとうございます^^いつもお気遣いいただいて本当に嬉しいです♪思いつきでお話をばら撒いておりますが楽しんでいただけて幸せです。今後も頑張りますのでよろしくお願いいたします(*^^*) (2019年12月24日 22時) (レス) id: d25e595259 (このIDを非表示/違反報告)
ダリア - 後、あまり無理は為さらないで下さいね?更新お待ちしてます^_^ (2019年12月24日 20時) (レス) id: 7c4b8b3529 (このIDを非表示/違反報告)
ダリア - 遂に番外編まで来ましたね!嬉しいです!今回も楽しかったです。皆素敵でずっとにやけながら、...ヤバい。...スキ。という状態になってました。体調に気を付けて頑張って下さい♪ (2019年12月24日 20時) (レス) id: 7c4b8b3529 (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃色の夢(プロフ) - すももさん» お祝いのお言葉ありがとうございます^^そして温かい気遣いのお言葉、とても励みになります♪本編も完結できるように頑張りますのでよろしくお願いいたします(*^^*) (2019年12月10日 8時) (レス) id: d25e595259 (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃色の夢(プロフ) - ふたばさん» お祝いのお言葉ありがとうございます^^今月は番外偏は難しいですね。ごめんなさい(土下座)年末年始はドタバタなので更新頻度がかなりゆっくりになります><ご容赦ください。今後も頑張りますのでよろしくお願いいたします(*^^*) (2019年12月10日 8時) (レス) id: d25e595259 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:瑠璃色の夢 | 作成日時:2019年9月27日 18時