鬼舞辻無惨に豆を投げつけてくる勇者【鬼滅の刃】 (ページ5)

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『完璧って、つまらないと思いません?佐々木です』

「は?」

完璧がつまらない?
何を言うんだ、この人間はと思った。

私の反応に、目の前の人間…佐々木は怯えもせずに続ける。

『完璧とは、言わば終着点。人間の終わりって感じがしませんか?佐々木はそう思います。完璧になると言うことは、無惨様が夢を叶えることと同じですよね?あ、佐々木はモブなのでそこら辺のモブが何か言ってる…くらいの感覚で聞いていただければ嬉しいです佐々木です』

「モブ、が何かは理解できないが、一応話だけは聞いてやろう」

『わー、ありがたいです佐々木です。で、話を戻しますね。完璧はつまり、無惨様の夢。でも、夢って叶えてしまったら、それってただの現実ですよね?佐々木は少なくとも、完璧にな"った"無惨様よりも、完璧に"なろうとしている"今の無惨様の方が、素敵だと思うんですよねー』

「……佐々木。お前は、今の私を素敵だと、そう言うのか?」

『勿論です、佐々木です。無惨様のその髪も、紅い瞳も。そして、完璧になろうとするところも。全部まとめて素敵だなー、と佐々木は思います』

先刻(さっき)までの真剣な表情が消え、無惨を前にした佐々木の顔に優しい笑みが咲く。
桜色の着物と合わせて、それは一輪の花のようだった。

────ああ、この娘だ。

無惨が求めている“青い彼岸花〟とは全くの別物。
紛い物ですらなく、代用品にすらならない。

けれど、

「私が、唯一浴びることのできる日の光だ」

『?無惨様ってもしかして、太陽とか苦手な感じの人ですか?肌白いですもんね、納得です』

「そう言う意味ではない」

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