【鬼滅の刃】陽光の巫女

怪我 ページ46

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山一つ分を包むほどの規模で力を使ったせいか、一気に疲労感が襲ってきた。

立っていられないほどのそれに、思わず座り込む。
　

体を休めた途端、怪我の痛みが全身を襲った。

さっきまでは興奮状態だったおかげで痛みを感じにくかったのだろう。
　

そりゃ刀がもろに刺さったのだって一回や二回じゃないし、こうなるわ。




「あー、痛い」



「よくついてきたね、その怪我で」


「…時透さん」
　


本当に瞬きの間に現れますね。


人間技じゃないですよそれ。




「十二鬼月、倒せました？」


「当たり前」



「私、役に立てました？」


「…それなりには」


「そうですか。よかったです」
　


神様の御力のおかげで、私なんかでも柱の役に立つことができた。
　

欲を言えば、私自身の力で役に立ちたかったけど。

それはただ単に私の実力不足だ。不甲斐ない。



「それより、手当しにいくよ。立って」


「…あぁ、それなら大丈夫です」
　

痛みや疲労で動かすのがやっとな腕に鞭をうって御札を一枚取り出す。



「月読命様。その月明かり、人を癒す超再生の力へと変え給え」
　

ぱん、と弱々しく叩いた柏手。

それでも優し気に輝きだす御札に感謝する。
　

自身の心臓部に御札を張り付けると、私そのものを光が包み込んだ。


春樹さんを助けた時と同じ現象だ。



「……ほら、この通り」
　

疲労感にはあまり効果がないけど、肉体的な怪我の場合は一発で解決できる。



「…すごい力だね」


「月夜の元なら、腕がもげたって瀕死状態だって一瞬でなおりますから」
　

時透さんにも、ともう一枚御札を出しかけたところで、僕はいいと断られた。



「このくらいほっとけば治る。それより次の任務に備えて」
　

それだけ言うと、早々に目の前から消えてしまう。
　
相変わらず速い。さすが柱だ。



「A、動ケルカ！」


「八咫烏様…。動けますけど」


「先ノ屋敷マデ案内スル。ツイテコイ」



「え、あ、わかりました！」
　


そうだ忘れてた。
　

屋敷の中には元十二鬼月がいて、今は狼くんが一人で相手してるんだ。




「八咫烏！その屋敷まではどのくらいかかりますか？」


「急イデ二日程カカル！」



「遠すぎ…」
　


あの十二鬼月、どこまでとばしてくれたんじゃ畜生。
　

狼くんごめん。

もう少し一人で頑張ってください…。

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