目的 ページ42
,
思わず瞑った目を開くと、そこに屋敷はなく、ただただ広い空き地にいた。
近いとは言えない距離に山はあるが、付近には民家の一つ、ましてや木の一つすらない。
「……ッ」
謎の緊迫感が漂う。
姿は見えないが、私をここに転移させた鬼がいるはずだ。
あの屋敷やその周辺からは新しい鬼の気配なんてしなかった。
恐らくこの場所から屋敷まで血鬼術だけを飛ばしたのだろう。
油断してた。
自身の縄張りでのみ空間転移をさせることができる鬼がいるなら、その上位互換な術を使ってくる鬼がいたっておかしくは…
待てよ、
元十二鬼月の、上位互換…って
「考え事ですか?」
「ッ!?」
耳元で聞こえた声に抜刀して振り返る。
「それに刃を向けても無駄ですよ」
クスクスと笑う小さな声も聞こえるが、そこに鬼はおらず、暗い渦のようなものだけが浮いている。
声は渦から届いてくるのか。
「貴方も私の血が目当て?」
未だに鬼の気配を感じない。まだ遠い場所に隠れているということか。
渦に刃を向けつつ、全方位を警戒。
そのまま渦に向かって話しかけてみる。
「そちらにも、もちろん興味はあります。貴方様ほどに稀な稀血はそういないでしょう」
「…そちらにも?」
含みのある言い方に聞き返すと、再びクスクスと小さな笑い声が届いた。
「私の真の目的は、貴方様の首ですよ」
瞬時に刀を横に振るう。
キンッ、と金属同士がぶつかる甲高い音がして、日輪刀が一振り地に落ちた。
「おや?今の一瞬で楽に殺して差し上げようと思ったのですが…」
跳んで後退すると、いつの間に展開していたのか、いくつもの渦が今さっきまで立っていた地面に日輪刀を飛ばす。
着地の後、一番近くに転がった日輪刀を最初の渦に投げ飛ばした。
177人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
hinata20070219(プロフ) - 私も善逸とむいくんが推しなんです! (2020年5月12日 3時) (レス) id: feb521b802 (このIDを非表示/違反報告)
ひにゃたこ - Alice@夜未さん» 続編?!凄いですね!読むのが楽しみです(*^-^*)いつもいつも素晴らしい作品をありがとうございます(≧∇≦)夜未さんもこの小説も大大大好きですッ! (2019年9月8日 19時) (レス) id: 2190e9e698 (このIDを非表示/違反報告)
Alice@夜未(プロフ) - ADAMASさん» 鬼滅は声優豪華すぎてビビりましたw 夢主の呼吸法は後々明かされる感じになるので、ぜひぜひこれからも読んで確認してください! (2019年9月7日 20時) (レス) id: 309172d3e5 (このIDを非表示/違反報告)
ADAMAS(プロフ) - Alice@夜未さん» 夢主ちゃんの呼吸法が気になってます。後々判明する感じですか? (2019年9月7日 18時) (レス) id: 2e674b225a (このIDを非表示/違反報告)
ADAMAS(プロフ) - Alice@夜未さん» ここから原作沿いになるっぽいですね。続編楽しみにしてます!あとアニメの話ですが柱の声優さんたち豪華すぎますね!甘露寺さんは花澤香菜さんとなんとなく予想してましたがドンピシャで当たった時謎の高揚感がこみ上げてきました笑 (2019年9月6日 1時) (レス) id: 2e674b225a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:Alice@夜未 | 作成日時:2019年8月14日 16時