【鬼滅の刃】陽光の巫女

二人 ページ41

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思えばいつも一人だった気がする。
　



私は一族の中で一人だけ、巫女としてでなく鬼狩りになる者として育てられた。
　


母や姉が巫女の修行をしている最中、一人山奥で刀を振っていた。


師範もいない中、ずっと一人で。
　


酸素の薄い場所での激しい運動。


教えられることもなく、ただ我武者羅に刀を振った。
　


技も動きも何もかもを一人で編み出した。
　




そんな毎日だったから
　



隊士になって、善逸と一緒に戦えたことが嬉しかった。
　


一人じゃない、善逸がいる。


それだけで心が救われた。



鬼は怖い。


だけど、善逸がいてくれるから、少し楽しかったんだ。
　




三人目の鬼の頸を斬る。


近接用の血鬼術を使ってくる鬼はこれで全部だ。



「ッ！」
　

下からッ！
　


力の限り飛び上がると、地面が手の形のようになりながら突き出てきた。
　

鋭い風の攻撃を身をよじって回避。
　


なるほど。


遠くから頸を斬りたいなら、あの鬼みたいに風を刃にすればいいんだ。

　

木の枝に座っている鬼に向かって刀を振り切る。



「あガッ…？」

　
一瞬の後、その鬼の頸と木の幹が同時に崩れ落ちた。
　


霞湖の時と同じ原理だ。

一瞬で振りぬいたその風圧で頸を切り裂く。この技は結構使えるかもしれない。
　


最後の鬼は木々の間を縫うように移動しているようだ。
　

木の枝に飛び乗って移動すると、鬼は私を見失ったようで匂いを頼りに姿を探している。





「い、移動が速すぎて追いつけな…」



「ここだよ」
　

刀を振るうと、あっさり頸がとんだ。





「ふぅ…」
　

鞘に収めて合掌をする。
　


さて、猪くんの応戦にいこう。


まだ屋敷から鼓の音がするってことは、戦ってる最中なのかな。
　




屋敷の戸を開けた









「…なッ！？」
　




瞬間、暗い渦に飲み込まれた。

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