【鬼滅の刃】陽光の巫女

守護 ページ28

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「ぜ、善逸…？どうしたの…？善逸…ッ？」
　


刀を振り下ろしながら倒れたのだろうか。


どうして急に？




「あらぁ？どうしちゃったのかしら」
　

不思議そうにしている毘売さんを見るに、彼女の仕業ではなさそうだ。
　







だから？
　

だからどうした。頼みの綱だった善逸が倒れたら、いったいどうしたらいいんだ。



「まあいいわ。そろそろ終わりにしましょうか」
　




毘売さんのことなんか気にしていられない。

　

どうしよう。どうしようどうしようどうしよう。

　
私が倒せば鬼は狩れる。鬼殺隊としての仕事は全うしたことになる。

でもこの人たちは死んでしまう。


善逸も、死んじゃう。
　

そんなの駄目だ。偉い人が許したって私が許さない。




「善逸…、ねえ、善逸、私はどうしたらいい…？」
　

善逸の横にかがみこんで体をゆする。
　

また涙がこぼれそうになる私を、四人の隊員が囲った。



「やってしまいなさい」
　

遠く聞こえる毘売さんの声。

それに呼応するように全員が刀を振り上げた。
　

避けれる。私だけならギリギリ避けれる。でもそしたら善逸は斬られてしまう。


天岩戸は間に合わない。

四人の刀を全て弾くこともできない。



「誰か…、たす、け…」









　







瞬間、四人の隊員が吹き飛んだ。




「……へ、」
　

いつの間に立ち上がったのか、善逸が私に背を向けている。
　



ザッ、と姿勢を低くし、刀に手をかけた。


構えだ。

技を出す構え。
　



でも、私に対してじゃない。
　



構えた先にいるのは…









「…善逸くん？」
　



毘売さんだった。








「雷の呼吸、壱ノ型」


　

大きく見開いた私の目から、ぽろぽろといくつも涙があふれ落ちる。







「霹靂一閃」
　



認識できないほどの速さで、私の前から姿を消した。
　

前の方に視線をのばせば、そこには頸の斬れた毘売さんと、構えと同じ体制の善逸がいた。

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