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killing night 82 ページ34

スマホ画面を見るや否や坂田はバッと俺たちを見た。

「A、や」

俺たちは一度頷いてから坂田はスマホをタップした。

「Aなんやな…?」

『………うん。』

坂田は通話をスピーカーにした。
聞こえてきたのは聞き慣れた彼女の声。
愛しい愛しい彼女の声。

「今どこにおるん。」

『それは教えられない。』

いつも通り優しい彼女の声は少し寂しげなものだった。

「なんでなん!俺らとの約束ほっぽりだしてでもせなあかんことって何!俺らのこと嫌いになったん…?」

坂田は怒ったり悲しげな声をあげたり、坂田は今多分感情が大きく揺れ動いているのだ。

『ごめんなさい、ごめんなさい、嫌いになったわけじゃない、4人のことはずっと大好きだよ。でも、今電話をかけたのはさよならを言おうと思って。』

さよなら。
たった4文字でも彼女の口から出た言葉がどれほど俺たちの心を揺さぶっているかわかっているのだろうか。

「さよならって何…」

坂田の問いかけから間を空けてAは続けた。

『坂田、いっぱい笑わせてくれてありがとう。
志麻に伝えて、守ってくれてありがとう。センラに伝えて、いつも優しくしてくれてありがとう。
うらたに、伝えて。
私はうらたが好き。きっと誰よりも。
さよなら、みんなと出会えて幸せだった。』

そう言い終えて俺たちが何も言えないままAとの通話は途切れた。

あいつが俺を好き…?
他の奴とどう違うとか今は考えてる場合じゃないし、そんなの今の言葉でわかりきってしまったじゃないか。
俺もあいつも何もかも同じだったって言うこと。
どうして今なんだ、もっと早くにわかっていればこんなことにはならなかったかもしれないのに。

「Aを探しに行きましょう。」

「でも、どこに。」

「どこだってええ!ここでずっと何もせんよりずっと探し続けた方がマシや!あんたは愛する人が死ぬのを黙って見てられるんか!」

センラは怒鳴り声をあげた。
Aのあの言い方は生き延びる人間が言うような言葉じゃない。
きっとAは命を投げ捨てようとしている。

「行くぞ。」

武器なんて何を持ったかなんて忘れてしまった。
足なんてボロボロになったっていい体が傷ついたっていい。
Aに会えないまま終わるのは嫌だ。

今なら言えるのだ、Aが好きだと。
Aの気持ちがわかった後で言うなんて薄情で情けないと思うけれど俺は言わなければならないのだ。

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霧雲 - 推しのうらたんと・・・?っっは!体が透けている・・・?・・いい人生だった・・・! (2021年8月8日 23時) (レス) id: 85272682ce (このIDを非表示/違反報告)
フラン(プロフ) - 完結おめでとうございます!とても面白かったです! (2018年12月21日 2時) (レス) id: 24d7937625 (このIDを非表示/違反報告)
緑のさくら(プロフ) - 終わってしまったああぁぁ!!!!すっごく楽しく読ませて頂きました!表現力が高くて、透明感がある表し方で、もう何から何まで全部好きでした!!表現を学ぶのにとても勉強になりましたね!wお疲れ様でした! (2018年12月21日 0時) (レス) id: cc75d0bcae (このIDを非表示/違反報告)
うめた。(プロフ) - 相原宙さん» 誤字でした!ご指摘ありがとうございます! (2018年12月8日 1時) (レス) id: 6ac6c419a5 (このIDを非表示/違反報告)
相原宙(プロフ) - 74の大切って言った後なんですけど、「うらたの私への大変」って「うらたの私への大切」ですか? (2018年12月7日 22時) (レス) id: bc22572701 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:うめた。 | 作成日時:2018年11月15日 17時

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