殺し屋やってるらしい。2【浦島坂田船】

killing night 64 ページ16

嗚呼、やっぱり。なんとなくそんな気はしていたのだ。

同じ髪色、同じ雰囲気。
まるでAとそっくり。
うらたんの怒りを掻き立てるには充分な要素を持ち合わせてる。
僕だって理性というものがなければ怒りに任せて殺そうとしていたかもしれない。

でもわかるのだ。
この男は同業者ではない、でも恐ろしく強い。

「一ノ瀬彼方。Aに会わせてくれないか。」

一ノ瀬。やはり、以前緑色瞳症候群について調べていた時Aの名は如月ではなく、一ノ瀬だった。
しかも執拗にこの男はAに会うことを望んでいる。
だとしたらこの男は確実にAの…

「わかりました、Aを呼んできます。でもついてこおへんでくださいね？この船の中は僕らとAだけのところなんで。」

一ノ瀬彼方は何も言わずただ立っているようだった。

船に入ると心配そうなAと目があった。

「A、こっちにきて。Aに会いたがっている人がおるんです。」

大丈夫なのか？と目で訴えるまーしーに大丈夫だとアイコンタクトで返す。

Aの心配そうに曇った顔が晴れることはなかったのだがAは僕の手を取った。

そしてAは一ノ瀬彼方を目にした。
未だ不安そうな顔で一ノ瀬彼方を見つめた。

「やっと会えた…！」

一ノ瀬彼方はあからさまに嬉しそうな態度にうらたんはムッとした顔を見せる。
もちろん僕も多少はイラつくがそれが顔に出ないようにしている。

「A…」

『にい、さん。』

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