killing night 48 ページ49
「なー、Aだいぶ普通に歩けるようになったよなぁー。」
坂田の言葉でそういえばと思い出す。
歩くだけで痛んでいた足ももう全然痛くはない。
「最近は転ばんくなったからなぁ」
志麻の一言で少し恥ずかしくなる。骨折したのは志麻たちのせいだけれどやはり転びそうになった時に助けてくれたからそれなりに感謝をしている。
「じゃあ、足診よか。」
センラに足を診てもらうのも慣れたものだ。
センラは料理もできるし、よく足を診てくれるのだから医師免許を持っているのだろう。
「治ってたりして。」
ぼそっといううらたは言葉に反してあまり嬉しそうな顔ではなかった。
巻いていた包帯をするすると外していく。
私がまだ先生の所にいた時、よく怪我して先生は過保護だったからそのたびに大袈裟すぎる処置をしてもらったことが懐かしい。
「痛くない?」
足を優しく動かすセンラは様子を見ながら私に聞いてくる。
『全然。』
普通に足を動かしている感覚とあまり変わらない。
痛みと言われるものは全くもって感じない。
「骨折、治っとる。」
センラの言葉に時間が一瞬止まった。
骨折が治るまでここにいる。
そうここに来た日に約束した。
骨折なんてこんなに早くに治るものだったのだろうか。いや、私が早いと思っていただけで本当はもっと長い時間ここにいたのかもしれない。
それでも骨折が治ったということは、ここを出て行かなければならないということ。
うらたと志麻と坂田とセンラにさよならをしなければならないということ。
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神楽 - いいですね〜!!もっとイチャついてほしいっす←更新頑張って下さい! (2018年11月4日 2時) (レス) id: b691fd4806 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:うめた。 | 作成日時:2018年10月22日 22時