killing night 41 ページ42
「Aが、自分の覚えてることっていうか、Aを殺し屋に育てた先生のこと話してくれるらしいんで聞いてやってくれません?」
「俺らが断る理由はねぇよ。」
うらたさんの言葉にAはホッとしたように息を吐いた。
『先生に会ったのは10年前で多分緑色瞳症候群の頃だと思う。何も覚えてなくて何もわからない私の最低限の土台を作ってくれたのは先生だった。』
Aは懐かしそうに話を始めたがその目はどこか寂しげな目だった。
『名前も、歳も。全部先生が教えてくれた。先生は感受性が豊かですごく優しかった。でも目を大事にしろっていつも言ってた、』
その先生もAの緑色瞳症候群のことを知っていたのだろうか
『先生は私は殺し屋になるにふさわしいって、世界一美しい殺し屋になるって、そう言ってた。』
僕は以前のAを知らないが、Aが思うよりも、その先生が思うよりもきっとずっとAは美しくなった。
遠くから見てた彼女に魅入った。彼女になら殺されてもいいと僕は本気でそう思った。
『先生は、色んな殺し方を教えてくれた。体術、刃術、銃、男の殺し方、女の殺し方。実践だってたくさんした。4年、先生の所で学んだ。』
「へぇ、じゃあそれからひとり立ちしたんやなー」
『うん。』
「その先生は今何してるん?」
『先生は、もう生きていないよ。』
「亡くなったんやな…。」
坂田の寂しげな声にAは首を横に振った。
『先生は、私が殺したから。』
Aはいつもの表情でそう言った。
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神楽 - いいですね〜!!もっとイチャついてほしいっす←更新頑張って下さい! (2018年11月4日 2時) (レス) id: b691fd4806 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:うめた。 | 作成日時:2018年10月22日 22時