killing night 38 ページ39
『坂田、手離して。』
意図もわからず閉ざされた視界に少し恐怖を感じて坂田に懇願する。
「あかん。志麻くんは自分が殺しをしてる所見られるのが好きやないんよ。」
なぜかその説明だけですぐに納得してしまって、懇願するのをやめた。
先程から銃声だったり、グチャッとした肉が引き裂かれるような音が続いていたがあいにく私の殺し屋の為特に怖がることもなかった。
私の不注意で招いてしまったことを志麻に解決してもらっているような感じがして、なんだかすごく申し訳なかった。
続いていたグ ロい音が止むと、私から坂田の手はどけられた。
目を開けると私を踏んだ男の姿は綺麗にすっかりと無くなっていて、志麻はニコニコと笑っていた。
「Aすぐ気づかなくてごめんなー、痛かったな」
と言って私の頭を撫でようと頭の上まで手を持ってきたが手を血がついていることに気がついて志麻はそれをやめた。
なんだか言葉にできないものがたくさん込み上げて来たような気がして、志麻の血濡れた体に抱きついた。
「A、汚れんで。」
『いい。』
あなたの手を汚させてしまった私はもっと汚いもの。
志麻は諦めたのかその手で私の頭をぽんぽんと撫でた。
殺しのできない私はこんなことしかできなかった。
早く、足を治さなくては。みんなに救われてばかりの私ではダメだ。
その晩志麻と坂田は男が入ってきたことに気がつくのが遅かったことでうらたとセンラにみっちり叱られた。
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神楽 - いいですね〜!!もっとイチャついてほしいっす←更新頑張って下さい! (2018年11月4日 2時) (レス) id: b691fd4806 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:うめた。 | 作成日時:2018年10月22日 22時