killing night 11 ページ12
交戦は長引いていて、触れることはできる、だが最後の殺すという工程は相手の技量によって阻まれる。
何か隙がないか、と狙っていたその瞬間、ターゲットの顔が少し顰んだのを感じた。
それはそのターゲットの足に銃弾が撃ち込まれたからだ。その銃弾は紛れもなく仲間である志麻のものだった。
一瞬でもターゲットの動きが鈍くなった、その時がきっとチャンスだったのだろう。だが俺はそんなことは眼中になかった。
あれほど自分が殺したいと言ったのに別の者に殺される可能性が出てきてしまったからだ。
自分のターゲットに自分以外の傷をつけられたという事実に驚きを隠せなかった。それもしかも他でもない仲間に。
prrr…と鳴り出すスマホに映っていたのはセンラの名前だった。
1コールが鳴り終える前にすぐさま取る。
「おい、どういうことだよ。」
今きっと俺は怒っているのだろう、普段よりも声が低くなっているし、スマホを持っていない手をぎゅっとしているのからわかる。
「僕が頼んだんです、まーしーを責めんとってくださいね。」
センラはいつもの声色で話を続けた。
「おそらく、今うらたんとターゲットは互角の戦いをしてます。だから、ターゲットもうらたんを殺せへんし、うらたんもターゲットを殺すことはできんと思います。」
「だから、捕まえることに専念したらどうですか?捕まえられたらうらたんがそいつを煮るなり焼くなり好きにできるんですから。」
「その考えを飲む、だがターゲットはもう見えなくなってるぞ」
「だからあんまり遠くへ行かへんように足撃ってもらったんですよ、見えんくなっても僕目星ついてるんで、今からうらたんのところに僕が向かうんでまっとってくださいね。」
センラは淡々と話してからぶつりと電話をきった。
俺は疲れた体を休めつつセンラを待つことにした。
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神楽 - いいですね〜!!もっとイチャついてほしいっす←更新頑張って下さい! (2018年11月4日 2時) (レス) id: b691fd4806 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:うめた。 | 作成日時:2018年10月22日 22時