Doctors-3JSB-GENE【５】

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大樹side








直人「もしもし、どうした？」



大樹「なおさん....？ですか？亜嵐君のお兄さんですか？」



直人「はい...？......長男のナオトです。そちらは？」




見ず知らずの声が聞こえたことに対して


怪訝そうに尋ねてきた。




大樹「すいません！亜嵐君の後輩の佐藤大樹って言います！亜嵐君の携帯借りて連絡させてもらってます」



直人「あぁタイキ君か。今日は確かクラブだって言ってたよね？あ、もしかして亜嵐潰れちゃった？」



大樹「いや、あの、今クラブにいるんですけど亜嵐君が腹痛訴えてて、たぶん虫垂炎かなって....。あ、えっと、一応医者なんですけど、既往歴とかも知らずにすいません.....」





図々しく喋ってしまったにも関わらず



ナオトさんは相槌を打ちながら聞いてくれて




直人「ううん、大丈夫だよ。タイキ君が見たままの状態を教えて」



落ち着かせるような、優しい声が聞こえてきた。





発熱、反跳痛、心窩部から痛みが移動したこと.......


情報をこぼさないように伝えると



直人「聞く限りだと高確率で虫垂炎だろうね。他を疑う疾患も特にないからそうだと思う」





ナオトさんは病院にいるらしい。




タクシーで病院まで連れてこれそう？と聞かれたので


亜嵐君に歩けるか聞くと




亜嵐「オペしない約束なら行くって言って」




大樹「.........だそうです。」



直人「もぅ、ほんとにごめんね......。亜嵐に代われる？」




そう言われて、亜嵐君の耳元にスマホを当てると



ナオトさんが説得してくれたみたい。









亜嵐「ちょ、ゆっくり歩いて......」



大樹「これ以上ゆっくりは無理ですよ、少しだけ我慢です」




歩くとどうしても響く痛みがあるようで


亜嵐君を支えながらゆっくりゆっくりと歩いた。

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