Doctors-3JSB-GENE

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登坂side









事務員「主任、明日の前出しカルテまだ揃いませんか？」



登坂「ん？別館から戻ってきた片岡に声掛けられなかった？」



事務員「片岡さんですか？見てないです。別館から戻ってないんですかね」




片岡が別館に向かってから、数十分は経っている。



鍵の保管場所を確認すると


別館の鍵は戻っていない。



胸に嫌な予感が広がった。




片岡の身に、何かが起こっているのは間違いない。



登坂「片岡のお兄さん達誰でもいいから連絡して別館に来てもらって」





大急ぎで別館まで走ると



中から光が漏れていて




登坂「片岡っ！！大丈夫か？どこが痛い？」




片岡が横向きに力なく倒れこんでいて


喘息の、特有の呼吸音が聞こえる。





pipipipipipipi---------




胸元のPHSが震えた。




登坂「はい、事務の登坂です」



直人「事務の子に言われて別館向かってるんだけど、Aに何かあった？」




登坂「あ、あの、カルテ庫で倒れてて....えっとー.......」



直人「臣、落ち着いて。Aが倒れてるの？どんな状態か見た感じで教えて」




職場では避けている、呼び捨てで呼ばれたことで


何かがスパークして、ハッと醒める。




登坂「喘鳴が聞こえてきて、額から出血も見えます」



直人「分かった。頭と首動かさないようにして、声掛け続けてて」




動転していた気を戻すために大きく息を吐いてから


一度は離れた片岡の傍にしゃがみこんで



肩を叩きながら名前を呼んだ。

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