す ぐ る く ん 、あ の ね 【夏油傑】

、 ページ10

＊









＊




「A。



申し訳ないけれど、君の願いの大半は、叶えられそうもないよ。




悟とは、今までで1番の大喧嘩をしてしまったし、硝子は私に優しくなんてされたくないだろう。




……君の言う、普通の人間を救うことも出来ない。アイツらは猿だよ。……弱く、醜く、呪いを生むことしかできない。


君を殺したのも、彼等のような猿だ。




どうして、救う必要がある？




…ごめんね、A。




きっと私には、君以上に愛せる誰かは出来ないよ。
君が居たから、私は"善人"でいれた。



君を、普通の女の子だった君に、触れられる男で居たかったから、私は呪術師で居られた。



だけど、それももう、無意味だ。



君を失った今、奴等を救う義理はない。




……そして、術式を使わずにいることも、出来そうにない。ごめんね。




それと、君に呪いは似合わないよ。
君が誰かを呪うなんて、とても似合わない。




＿＿＿＿A。





私は絶対に、君を忘れることは出来ない。



忘れられない。忘れたくない。



だから、







君の最後の願いを叶えることしか、私には出来ない。







＿＿＿＿＿A。








君を、愛しているよ。＿＿＿永遠に」

さいごの→←ね

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す