新任教師 ページ1
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___始業式。
今日は季節外れの新任教師が来るということで、体育館はざわめいていた。
男なのか女なのか。イケメンか美人か。
そんな話題で盛り上がる生徒が多く居た。
そして、
「新任の先生かあ、どんな子だろ。ね、気にならない? 悟、傑」
「興味ねー」
「良い先生だと良いけどね」
薄い桃色の髪をした少女が、隣の長身の男2人に話しかけていた。
白髪にサングラスをかけた男は欠伸をし、特徴的な前髪をした男はにこやかに少女と話していた。
そして少し離れたところでは、ごく普通の黒髪の少女が、ぼーっとステージを見つめていた。
「ちょっとA、気にならないの? あんた」
「ん? んー、別に…。野薔薇は気になるの?」
「私もそこまでだけど、まあ人並みには気になるわね」
「……そっか。いい先生だったら、良いんだけど」
「………A、大丈夫? やっぱり、アイツらに__」
野薔薇と呼ばれた少女は、Aと呼んだ少女の顔を心配そうに見つめる。
Aはふわりと微笑み、大丈夫だよ、と首を振った。
「虎杖くん達や、五条先輩たちには言わなくていいよ。…だって、皆あの子のこと、好きだし…」
「けど…!」
「私のせいで、壊れるのはもう嫌だから…」
Aのその言葉に、野薔薇は口を噤む。
腹が煮えくり返りそうなほどの怒りはあれど、A本人がそう言うのなら、黙るしかない。
野薔薇は唇を噛み締めた。
ーーあの馬鹿ども…! あんな悪女に騙されやがって…!!
「皆さん静かに!」
教頭の声がマイク越しに響く。
いよいよ、教師の登場らしい。
「それでは、本日新しく赴任する___」
「あー、良いです良いです。そういうめんどくせえの」
教頭の言葉を遮る男が1人。
呆気に取られる教頭の肩を叩き、ステージの上へ上がる。
着ているスーツは前が開かれ、どこかだらしない。
しかしそのだらしなさも、男のその顔立ちで様に見えてしまう。
ステージに上がり、そしてマイクの前に立ったその男は、
「___なにあれ、やば」
ゾッとするほど顔の整っていた。
それは、あまりにも完璧な顔だった。
「__…あー、自己紹介とかめんどいんで省略します。
春野葵。まあ、別によろしくするつもりはありません」
以上。
男はそう言って、ステージを降りた。
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ナナ - 楽しみ (2021年10月18日 6時) (レス) @page4 id: 2a43d541e3 (このIDを非表示/違反報告)
レモン - 雨ノさんの作品の中でもこの話がとっても好きです!春野先生っ…性格がタイプっ!!! (2021年4月18日 21時) (レス) id: 4d1d2b1baf (このIDを非表示/違反報告)
ria rias(プロフ) - こういう悪女が主人公か他人に潰されて行く系の話好きです。そして同時に春野先生と一緒にあの悪女を潰してやりたいと思いました?w (2021年4月7日 1時) (レス) id: d85a239976 (このIDを非表示/違反報告)
莉乃(プロフ) - アッ……春野先生好き…() (2021年4月5日 17時) (レス) id: 1878b35b0d (このIDを非表示/違反報告)
ねーむ - すっごい好きです!!更新楽しみにしてまーす! (2021年4月4日 15時) (レス) id: 38d2d0b865 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雨ノ | 作者ホームページ:
作成日時:2021年4月2日 21時