余命 1 週間の少女【呪術廻戦】 (ページ11)

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雲一つない晴れた日。

墓の前に七人。

それぞれ花を手に持って、並んでいた。

「もう一年か」

黒髪の少年が言った。

「早かったような、遅かったような・・・わかんないわね」

薔薇の名を持つ少女も続けて言った。

「アイツ…、最期は笑ってたな」

パンダが言った。

「日記を見つけたんだ」

教師はおもむろにそう言った。

「最後の日記に、書いてあったよ。

『大人になれずに死んでしまう。

死にたくない。

生きろ。』

って」

「…あいつは、大人になれずに死んでいった。二十歳になったら酒が飲みたいって、そう言ってたのにな……」

眼鏡の少女は呟いた。

「アイツは、私の親友は、生きたがってたよ

この中の、誰よりも」

「しゃけ」

宿儺の器も空を見上げ、言った。

「俺達だっていつかは死んでいく……けど、あの人は早すぎたんだ」

その言葉を聞いて、最強は笑った。

「うん、そうだね。

だから僕たちは必死に生きなきゃならない。
呪術師は、命を賭けてなんぼだけど、僕達は死を前提としちゃいけない。

あの子が生きられなかった分を、なんてことは言わない。

けど、この命、必死に抱えて生きなきゃ、

あの子に怒られちゃうよ！」

その言葉に、他の6人は口々に賛成の意を示した。

ー
　
　
　『ねえ、皆。

こっちはなかなか楽しいよ。

皆とお話しできないのは悲しいけど、

早く来てなんて言わないから、

おじいちゃん、おばあちゃんになるまで

生きて』

墓の前で、

もう、誰とも話せなくなった少女は

七人に笑った。

そして、その後ろ姿に叫んだ。

『生きろ!!』

聞こえたのか、それとも偶然か、

7人は後ろを振り向いた。

それから少し微笑んで、

また

前を向いて歩き出した。
　
　
　