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「あ、髪の毛やってあげるね」
美「ありがと」
俺のベッドに腰掛けて後から俺の髪を乾かしてくれるAはなんだかご機嫌で。俺の髪の毛を乾かし終えると、「みゅうさん?」と俺の名前を呼ぶので「どうした?」と顔をあげたらAはじっと俺を見つめた。
「お昼は置いてちゃってごめんね?・・・嫌だった?」
美「(笑)気にしてたの?」
「だって、」
美「いいよ。楽しんできたんでしょ?」
「うん」
俺だって夜会おうって行ったのに飲みに行っちゃったし、お互い様でしょ?と笑えば彼女は「みゅうさんは楽しかった?」と俺の顔を上から覗き込んだ。
美「うん、パッパラパー男子会でした」
「なにそれ(笑)」
まぁいつもの人たちなんでしょ?そりゃあ楽しいよね?と彼女は笑って「もうすぐ忙しくなりそうだもんね、みゅうさん」とラグに降りてくると「やっぱり寂しいな」と言いながら俺に目を向けた。
「もう少ししたらもうみゅうさんと暮らせないもん」
美「そうだね」
「だからみゅうさんのものくれると嬉しいな」
美「ふふ、なんでもあげる(笑)」
「ふふ」
腕を伸ばしてきたAをそのまま受け入れると、「さっき電話した時ね、本当は寂しくて早く帰ってきて欲しかったの」と恥ずかしそうに言うから頭を撫でて「寂しそうな声がしてきたからそうなんじゃないかと思ってた」と俺が笑えば「・・・バレてた?(笑)」と俺の腕の中で小さくなる。
美「・・・恋人になったらこんなに甘えるんだね」
「ふふ、困る?」
美「どうかな」
「ねぇ、みゅうさん」
美「ん?」
「これから私としたいこと、教えて?」
美「え?」
それはどういう意味で?と思ったけど少し遊ばせようと「二人で海外旅行とか?」と笑えば彼女は、「楽しみだね!」と微笑む。その未来の約束に、胸が踊る。
「それもそうなんだけど・・・今は何がしたい?」
そういうAは俺の顔を見つめてから膝の上に乗るように座り直すと昼と同じように「これは恋人にしかやらないから」と口にして俺の首に腕を回すと「私はちゅーがしたいんだけど?」と顔を近づけて目を閉じた。
本当に・・・ずるい子。
君がこんなんだから、俺はがっついちゃうんだよ。
これは、すべてAのせい。
そんなんだから、嫌でも分かってしまう。
過去の彼氏たちが、君を諦められない理由。
でも、君はもう俺のものだから。
俺しか見れないように・・・してあげる。
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作者名:愛美 | 作成日時:2020年9月20日 2時