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美「悪い女」
「ふふ、やっとわかった?」
美「俺をおちょくってもそっちが大変なだけだと思うよ?」
「あれ?(笑)」
美「・・・上、行こ」
我慢が出来そうになくてそう伝えると、「したいのはチューなんだけど?」と口にしてまた俺の口を塞ぐから本当やばい女だな、と思って俺が本気だってことを伝えるためにタイツの脚に触れると彼女はキスの合間に「っ、!」と反応して顔を離した。
「みゅうさん」
美「拒否する?」
「もう、」
美「ふふ、」
そう言って俺が彼女を抱き抱えようとするとAは途端に俺の肩の向こうを見つめて「っ、!?」固まるとハッとしたように俺の肩をどん!と突き放した。
顕「楽しそうだね」
「・・・!///」
美「は?」
リビングの入り口にいる顕嵐の声がそう聴こえた瞬間Aは俺から離れて挙動不審になって乱れた髪を直しながらテレビを消したりポップコーンを戻したりするから、その姿に顕嵐がくくっと笑うと「ふーん」と俺の顔を見つめた。
美「な、なに」
顕「いや?」
ニヤッと笑った顕嵐が俺から視線を外し挙動不審なAを捉えると、「お楽しみ中邪魔して悪いんだけど・・・集まり忘れてない?」とAに問いかけた。
「えっ」
顕「玄樹がお怒りですけど?」
「・・・うわ、」
何かを思い出したような顔を見せたAは顕嵐の顔を凝視すると「顕嵐、どうしよう!」と頭を抱えた。
顕「ここに迎えにくるって」
「っ!!早く支度しないと!」
困ったようにそう口にしたAは俺のことを放置してそのままバタバタと出ていくから・・・不完全燃焼のまま放置されてしまった俺はどうすればいいのだろうか。はぁ、とため息を吐いて立ち上がると顕嵐が近づいてきて、「邪魔しちゃってごめんね?」とニヤニヤ笑う。
美「・・・いつからいたの」
顕「拒否する?辺り」
美「・・・、」
顕「随分がっついてるんだね」
風紀委員にチクっちゃうよ?(笑)とケラケラ笑った顕嵐は「ま、老ぼれる前に付き合えて良かったね?」と知った顔で俺を見つめた。
顕「本当、やっとだ」
美「・・・いろいろ、ありがと」
顕「ふふ、別に」
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作者名:愛美 | 作成日時:2020年9月20日 2時