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「愛してる」なんて、初めて言われた。
幸せすぎると人間は笑っちゃう。笑みを零した時に溢れた汗が彼女の綺麗な胸に落ちて、俺は絡ませた指先をシーツに押し付けてAの唇を貪るようにして夢中でキスをした。
全てを奪ってしまうように動きを大きくしていく俺に比例して耳元で溢れるAの声が多くなっていくのを感じて、「みゅうさんっ」と呼ばれてキツく抱きしめると彼女は俺の背中に腕を回した。
「・・・っ!」
美「っ、」
襲ってきた大きな快感と、溢れ出ていく彼女への気持ち。
自分の身体に乗っかる俺の腰を抱いて、息を整えながらふわっと微笑むA。
愛おしくてたまらない、その笑顔。その顔を引き寄せて「俺も、愛してる」と口にするとAは心底嬉しそうに頷いて愛おしそうに俺の首に腕を回してキスを落としてくれた。
鼻先を合わせるとAは涙の溜まった大きな目を俺に向けて、もう一度「愛してる」と囁いてくれた。
恋人になってくれたAが死ぬほど愛おしくて、今日からこれを独り占めできると思うとすごく嬉しくて幸せで。彼女を引き寄せて自分の胸に寄せれば彼女は嬉しそうに目を細めた。大事に頭を撫でて、乱れた前髪を直し、腕を撫でから腰を抱きその耳元で「やばい・・・めっちゃ好き」と口にすれば彼女は幸せそうに笑った。
「・・・ふふ、お気に召してくれました?」
美「朝までイケるわ」
「もう(笑)」
美「ふふ、そっちもお気に召しました?」
俺がそう問いかけるとAはふと俺の顔を見上げて、親指で俺の唇を撫でながら大人の女の人みたいな表情で「・・・すごく、良かった」と切ない視線を向けてそう呟いた。
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作者名:愛美 | 作成日時:2020年9月20日 2時