おやすみの2秒前に ページ13
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彼は今も棺桶の中で寝息をたてている。いつも通り、すぅと規則正しく肩が動いて、起こすのはひなたくんとゆうたくんの2人。
「 Aさんいつも朔間さんの寝顔見てるじゃん 」
『 う、あ 、たまたまだよ 』
起こしに来るふりをして寝顔を見てるなんて、変態同然だけど私は好きな人と話すことなんてできない。恥ずかしくて、言葉が出ないし。相手はあの朔間さんだ、相手にしてもらえるか分からない。
「 そんな簡単に顔赤くなるから好きな人バレバレだよ〜 !」
なんてひなたくんが笑いながらゆうたくんと音楽室を出た 。音を立てて扉が閉まる 。
「 ようやく二人きりじゃのう 」
どくん、と大きく私の心臓が鳴り 振り向けば棺桶からちらりと顔を出す零さんと目が合う。その紅い瞳に吸い込まれそうになって、慌てて目を逸らした。
『 お、お誕生日おめでとうございます 』
震えた声でそういえば、嬉しそうに彼は頷いた。
「 最高の誕生日プレゼントを頂くとするぞ 」
確か、零さんはそんなことを言っていた気がする。
いつの間にか私は彼の腕の中にいて、ながい襟足が鼻先に当たってくすぐったい。
「 今日からAは我輩のものじゃ 」
夢心地な世界で 、私は彼の唇に背伸びをして一瞬のキスをプレゼントした 。
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作者名:あんさんぶるParty! x他3人 | 作者ホームページ:なし
作成日時:2017年10月31日 20時