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私の肩の手当をしてもらって、着替えに一旦ホテルに戻ることになった。
その間に中間さんに連絡したら、私達はホテルで待機してくれ、と言われてそのまま事件は私達の手を離れることになったらしい。
ありえない。
けど。そういうのはよくあることで。
零課は基本そういう役回りだ。
夜、中間さんが私達に会いに来てくれた。
「わからないことがたくさんあるんです、なので来ました」
中間さんが不安そうな顔で私達の前に座った。
「どうかしましたか」
櫻井さんが聞く。
「河東です。彼は何も覚えていないと言ってるんです」
「……うーん……」
「夢から醒めたような気がします、と素直に取り調べに応じてはいるのですが」
「はい」
「何がなんだか……あの白骨は今身元確認中です、恐らく歯型から邨田さんかどうか調べられるのですぐに連絡あると思います」
私達は思わず深いため息を吐いた。
「今までのもの、全て霊ではなかったということですか」
中間さんが私達をじっと見た。
「これは僕の仮説なのですが」
櫻井さんが口を開く。
「河東は恐らく……少し霊感というか……そういうものがあったのだと思います、つい悪霊と波長が合ってしまった」
「……悪霊」
「鎌の男の霊です」
「……」
「これは裏を取って貰いたいのですが……恐らく池で溺死したオノマサトシくんは、殺人現場を目撃して、口を封じられたのだと思われます」
「殺人現場？」
「当時噂になっていた連続殺人の現場を見てしまったのだと思います、殺されたのは恐らく当時入院中のエダノキヌコさん」
中間さんが慌ててメモを取る。
「なぜ……」
「その八年後、埋め立てた池から女性の白骨遺体が発見された、それがエダノキヌコさんだったので」
「……はい、ではその犯人は……」
「その犯人は鎌の男です、その鎌の男はまだ逮捕に至っていない。そしてその後の工事から鎌の男の霊が現れ始めた」
櫻井さんが言葉を切って私が前に書いた時系列の紙を目の前に置く。
「……2003年、工事が再開されました、その時に工事の邪魔が入り井田蔵という医師が一人自死しています」
「……はい」
「そしてその時一人の看護師が行方不明になっている、その次の工事では基田野さんが自死」
「……」
「僕の予想では、あの旧館から、男性一人、女性一人の白骨遺体が見つかると思います……」
「……え」
「もし見つかったら教えてください、僕の仮説の答え合わせがしたい」
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作者名：よしの
| 作者ホームページ：
作成日時：2020年3月5日 16時
