王子の友人 ページ41
じりじりと間合いを詰める警察たち。
「近づいたらこの女殺すぞ？」
「……」
あーあ。
馬鹿だな、石田くん。
素直に捕まればいいのに。
漂う緊張感。
一瞬でいい。
一瞬の隙を待つ。
今暴れたら私も石田くんも危ない。
その時、奥から一台の車が出てきた。
みんなが一瞬そっちに気を取られる。
石田くんの腕も、一瞬緩んだ。
その隙に。
ナイフを持った腕を両手で掴んでからヒールの踵で思いっきり足の甲を踏んでやった。
「いって」
一瞬屈んだ石田くんの鳩尾に肘打ち。
左手で腕掴んだままクルッとくぐり抜けて、手首の関節を決めた瞬間、警察に確保された。
「麻倉さん……うそだろ……」
地面に押さえつけられてる石田くんを見て、はぁーとため息が出た。
「資格取りまくってるとき……護身術も習ったんだよ……ごめんね、足の甲ヒビ行ったかも」
「……」
「余罪増やしてどうすんの……素直に捕まればよかったのに……」
奥から出てきた車から、櫻井さんが降りてきてぎょっとした。
どうして？
ああ！ここ、王子の家から一番近い駐車場なんだ、運転席に座ってるのはあのイケメンくん。
イケメンくんと遊ぶ約束してたのかな？
「A、よかった間に合って！」
「櫻井さん……」
「しかし……強かったね……」
「周りに助けてくれる人がいたから使えた護身術だよ……ほら私、一生一人で生きてくつもりだったから自分の身くらい自分でね！」
「A」
櫻井さんが私を見下ろして、ふふ、と笑った。
「俺、昨日お兄さんにお会いしててホントよかったって思うよ」
「ふふ、うん」
「ねぇ？」
「うん？」
「抱きしめていい？」
「いちいち聞くの？」
「無理矢理抱きしめたら関節技決められそうだから。今後は許可とることにする」
顔を見合わせて笑い合って。
私の方から櫻井さんの胸の中に飛び込んだ。
「警察の事情聴取、明日にしてもらお。今日はもう帰ろう。送る」
「いいのかな」
「いいよ、今日は奴の取り調べに忙しいでしょ、裏付けのときにどうせいなきゃいけないんだから」
「うん」
櫻井さんがそう言った。
「すみません、Aちょっと精神的に参ってるみたいだから……自宅に送ってもいいですか」
櫻井さんの背中を見送ってたら、サラサラヘアーのイケメンくんが近づいてきて、私を見てニコッと笑った。
「間に合ってよかった」
「ありがとうございます」
「翔ちゃんを宜しくね！」
優しい笑顔に癒やされる。
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いろは(プロフ) - いつも楽しく読ませてもらってます！！TwitterのフォローをさせてもらったのですがDMが送れずこちらから送らせてもらいます。SUZUIROというアカウント名です！ (10月5日 20時) (
レス) @page47 id: 7b03d9df09 (このIDを非表示/違反報告)
ゆかり(プロフ) - 完結、おめでとうございます！よしのさんのお話はいつも楽しく読ませていただいています！ (2020年3月25日 20時) (レス) id: 29ae961861 (このIDを非表示/違反報告)
はる(プロフ) - よしのさん、こんにちは！とにかく、とにかーく面白かった！一気読みしました！久しぶりに朝方まで（徹夜に近い）読んでいました。もう本当に読むのが楽しいってこういうことなんだって思いました！ (2020年3月10日 11時) (レス) id: 6cd0f843d6 (このIDを非表示/違反報告)
なるちゃん(プロフ) - おもしろかったー！一気に読みました！読後感がスカッと爽やか(^O^) ありがとうございました！ (2020年3月1日 9時) (レス) id: f390aacf74 (このIDを非表示/違反報告)
mikoto020707(プロフ) - 毎回更新を楽しみにしてました。終わってとても寂しいです。両思いになってからも櫻井さんが振り回される続きが読みたいです。よろしくお願いします。 (2020年2月27日 9時) (レス) id: 285ed8c737 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：よしの
| 作者ホームページ：
作成日時：2020年2月11日 8時
