バーチャル女の姫扱い ページ38
「麻倉さん！見積書のデータできた！」
「ありがとう！課長、10分で確認してください、今のうちに動作確認します」
「麻倉さん！工程表作ったよ、どうする？」
「スライドショーに入れるからデータください！」
「えっ、パワポ……じゃないよ……？エクセルで作っちゃった……けど」
「時間がないからそのままリンクさせます、大丈夫！」
イイイイイ！って叫びたいのを我慢しながら大体スライドショーを作り終えたのは8時。
10時間以上かかった。
でも30時間はかかったであろう諸々を10時間でやったのはむしろ褒めてくれ。
「課長……これで一回……プレゼン、リハーサル……を……」
「よし、いくぞ……」
息絶え絶え。
課長も髪ボサボサ。
部長の目は血走ってるし、中西さんはいつもよりきびきび仕事してる。
石田くんは、明日の会議の資料どころか自分がいた形跡をすべて消そうとしたのか、あれこれ消していなくなったようで。
ありえん。
ここまでやったら、後はもう明日の本番、なんとかなるだろう。
首をコキコキやってたら中西さんが私のすぐ横に立って私にコーヒーを淹れてくれた。
「あ、甘いものすっごい嬉しいです、中西さんのそういう優しいとこ好きです」
やっとゆるふわ女子に戻れた。
「麻倉さん何者……？」
「派遣やる前、ちょっとこういうのやってました、つい殺気立ってすみません」
「かっこよかった、惚れた！」
「中西さんは惚れっぽいから信用しないもん」
「えー」
課長のリハーサルに付き合いながらコーヒーを飲んでたら、部長が近寄ってきた。
「今日、全員のパスワード変えさせたよ」
「その方がいいですね、石田くんどうやって全部消したんだろう」
「自分の作ったデータは遠隔で初期化できるように紐付けしてたみたいでね」
「えっ！コピーも初期化されたんですか？」
「コピーのデータは課長が持ってて……課長のパスワードはバレてたから……」
「あー……ムカつくぅ……」
「……石田くん、まだ見つかってないみたいだから気をつけて遅くならないうちに帰ってね、家まで送りたいけど……」
「大丈夫ですよ！」
「そう？明日よろしくね」
私の肩をポンポンと叩いた。
そろそろ帰るか。
「じゃあ、お先失礼します」
「ありがとうね、麻倉ちゃん！」
「麻倉ちゃんありがとー！」
皆が手を振ってくれた。
投げキッスとか指笛まで。
胸元で可愛く手を振ってみたら、わー！って湧いた。なんだこれ。
……お姫様になった気分！
悪くないけどむず痒い！
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いろは(プロフ) - いつも楽しく読ませてもらってます！！TwitterのフォローをさせてもらったのですがDMが送れずこちらから送らせてもらいます。SUZUIROというアカウント名です！ (10月5日 20時) (
レス) @page47 id: 7b03d9df09 (このIDを非表示/違反報告)
ゆかり(プロフ) - 完結、おめでとうございます！よしのさんのお話はいつも楽しく読ませていただいています！ (2020年3月25日 20時) (レス) id: 29ae961861 (このIDを非表示/違反報告)
はる(プロフ) - よしのさん、こんにちは！とにかく、とにかーく面白かった！一気読みしました！久しぶりに朝方まで（徹夜に近い）読んでいました。もう本当に読むのが楽しいってこういうことなんだって思いました！ (2020年3月10日 11時) (レス) id: 6cd0f843d6 (このIDを非表示/違反報告)
なるちゃん(プロフ) - おもしろかったー！一気に読みました！読後感がスカッと爽やか(^O^) ありがとうございました！ (2020年3月1日 9時) (レス) id: f390aacf74 (このIDを非表示/違反報告)
mikoto020707(プロフ) - 毎回更新を楽しみにしてました。終わってとても寂しいです。両思いになってからも櫻井さんが振り回される続きが読みたいです。よろしくお願いします。 (2020年2月27日 9時) (レス) id: 285ed8c737 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：よしの
| 作者ホームページ：
作成日時：2020年2月11日 8時
