王子の御曹司パワー ページ14
今回は、櫻井さんが焼肉食べたいって言ったから半個室のある焼肉屋さんに来た。
いい感じに音楽や話し声やお肉の焼く音で隣の部屋の声は笑い声くらいしか聞こえない。
今日のおすすめコースみたいなのがあって、それを頼んで、ビールで乾杯。
私達顔つき合わせたらいつも飲んでる。
「で、川嵜さんと課長はどうなったの？」
余計なことは口にせずいきなり聞いたら櫻井さんがムスーっとした。
「なんだか久しぶりのような気がするなーとか、そういうの無いの？」
「毎朝会ってるのに？」
「ドライだなー……」
「で？どうだった？」
「うん」
櫻井さんがスマホの画像を見せてきた。
なんだ？
「無音カメラで撮った川嵜」
「うん。これ、何？」
一人の社員がもう一人の社員にファイルで殴られてる？みたいな写真。
「奴はパワハラを受けていた、その証拠写真。一緒に写ってる書類を頭で殴ってるのが営業チーフの一人」
「……」
「そのチーフ、川嵜だけを執拗に虐めててさ」
「最悪……」
櫻井さんが大きなため息を吐いてスマホをポッケに入れた。
「川嵜に一日では終わらない量の仕事を押し付けてそのチーフは帰ったりしてた。お前の成長のためだからとか言って」
「えー……自分も残るならともかく」
「うん。でさ、一人で残って仕事してたから、思い切って声をかけた」
「うん」
「最初は何も言ってくれなかったけどね。俺がしつこく聞いたら答えてくれた。営業の裏話」
「……」
店員さんがお肉を持ってきてくれて、櫻井さんがありがと、と受け取る。
ネギ塩たんを金網の上に置きながら櫻井さんが悲しそうに顔を曇らせて続けた。
「営業成績横取りとかさ。そういうのはなんとなくあるだろうなとは思ってたけど、そんなひどいとは思わなかった」
「うん……」
「多分、川嵜をいじめることでストレス発散してたんだよな……。周りも自分がターゲットになりたくないから見てみぬふりしてたんだろう」
「……」
「武井課長はさ、気づいてたけど証拠がないことと、川嵜からの救助要請が来ないから動けなかったと彼に謝ってたよ」
「……武井課長から話を聞いた？」
「俺が二人を誘って飯に行ったんだよ」
櫻井さんがクスッと笑った。
「え！直接？」
「俺もたまには御曹司パワーを利用しないとね？」
「そうね」
櫻井さんがふふ、と笑う。
「塩タンもういいよ、はい」
お皿の上に乗せてくれた！
こんな甘やかされたことないから嬉しい！
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いろは(プロフ) - いつも楽しく読ませてもらってます！！TwitterのフォローをさせてもらったのですがDMが送れずこちらから送らせてもらいます。SUZUIROというアカウント名です！ (10月5日 20時) (
レス) @page47 id: 7b03d9df09 (このIDを非表示/違反報告)
ゆかり(プロフ) - 完結、おめでとうございます！よしのさんのお話はいつも楽しく読ませていただいています！ (2020年3月25日 20時) (レス) id: 29ae961861 (このIDを非表示/違反報告)
はる(プロフ) - よしのさん、こんにちは！とにかく、とにかーく面白かった！一気読みしました！久しぶりに朝方まで（徹夜に近い）読んでいました。もう本当に読むのが楽しいってこういうことなんだって思いました！ (2020年3月10日 11時) (レス) id: 6cd0f843d6 (このIDを非表示/違反報告)
なるちゃん(プロフ) - おもしろかったー！一気に読みました！読後感がスカッと爽やか(^O^) ありがとうございました！ (2020年3月1日 9時) (レス) id: f390aacf74 (このIDを非表示/違反報告)
mikoto020707(プロフ) - 毎回更新を楽しみにしてました。終わってとても寂しいです。両思いになってからも櫻井さんが振り回される続きが読みたいです。よろしくお願いします。 (2020年2月27日 9時) (レス) id: 285ed8c737 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：よしの
| 作者ホームページ：
作成日時：2020年2月11日 8時
