嘘つき女の同僚 ページ11
終業後、石田くんに声をかけられた。
「お疲れ様。今日もデート？」
「実は櫻井さんと喧嘩しちゃって」
「えー」
近くにいた女の子も話に入ってきた。
「喧嘩？なんかいがーい！」
「そうかな？」
「二人ともあんまり腹立てそうもないのにー？」
そんなことねーわ。
なんなら半分以上嫌味の応酬だよ。
金曜の夜は、そんなことなかったけど。
楽しかったのに。
あんなこと……
あんなこと！
うわー！キスしたこと思い出した！
消えろ。キスシーン消えろ。
私が黙り込んだのを見て、しょんぼりしてると思われたのか、早く仲直りしてねって励ましてくれた。
「喧嘩したの？」
石田くんが半笑いで聞いてきた。
「うん……」
「相談乗ろうか？」
「大丈夫」
「ならいいけど。じゃあ俺先に帰るね」
石田くんが帰る用意をしてる。
「駅まで一緒に帰ろ？」
石田くんに思い切って声をかける。
「そうだね、待ってる」
石田くんが私の横に立って、荷物なんかをジロジロ見てきた。
「麻倉さんってさー、スマホ何？iPhoneじゃないよね？」
「うん、私ずーっとAndroidー」
「こだわり？」
「うん、こだわりー。行こうか！」
立ち上がって、お先に失礼しまーすと言ったら、中西さんと部長がじっと見てきた。
あの二人意外に仲良しなんだな、という視線か？
周りを見渡す。
ラボの前で感じた視線は誰だろう。モヤモヤしながら会社を出ると石田くんが口を開く。
「そういえば……櫻井さんにスパイの話、してくれた？」
「うん、チラッとそういう話にはなったけど、そんなわけないよーって真面目に取り合ってくれない感じだったよ」
「……危ないなぁ……」
「ねぇ、石田くんは何か知ってるの？」
「うん……黒田さんが課長のパソコン触ってた話したじゃん？」
「うん」
「それだけじゃなくて」
石田くんが言いづらそうに口を噤む。
「それだけじゃなくて？」
「こないだ企画部の中にも勝手に入ってきてたんだよ……」
「中西さんに会いにきてたんじゃなくて……？」
「そうなんだけど……その時さ、麻倉さんの席触ってたよ……？」
「いつ？」
「いつだっけ……」
「周りに他に誰もいなかったの？」
「うん、お昼休みだったから」
……そういう場面によく遭遇する石田くんのほうが怪しいよ？
と言いたい。
「私の扱う情報なんて大したことないのに」
「でもラボの中には社外秘だらけじゃん？何かあると思われたんじゃない？」
「そうだね」
石田くんが私をじっと見た。
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いろは(プロフ) - いつも楽しく読ませてもらってます！！TwitterのフォローをさせてもらったのですがDMが送れずこちらから送らせてもらいます。SUZUIROというアカウント名です！ (10月5日 20時) (
レス) @page47 id: 7b03d9df09 (このIDを非表示/違反報告)
ゆかり(プロフ) - 完結、おめでとうございます！よしのさんのお話はいつも楽しく読ませていただいています！ (2020年3月25日 20時) (レス) id: 29ae961861 (このIDを非表示/違反報告)
はる(プロフ) - よしのさん、こんにちは！とにかく、とにかーく面白かった！一気読みしました！久しぶりに朝方まで（徹夜に近い）読んでいました。もう本当に読むのが楽しいってこういうことなんだって思いました！ (2020年3月10日 11時) (レス) id: 6cd0f843d6 (このIDを非表示/違反報告)
なるちゃん(プロフ) - おもしろかったー！一気に読みました！読後感がスカッと爽やか(^O^) ありがとうございました！ (2020年3月1日 9時) (レス) id: f390aacf74 (このIDを非表示/違反報告)
mikoto020707(プロフ) - 毎回更新を楽しみにしてました。終わってとても寂しいです。両思いになってからも櫻井さんが振り回される続きが読みたいです。よろしくお願いします。 (2020年2月27日 9時) (レス) id: 285ed8c737 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：よしの
| 作者ホームページ：
作成日時：2020年2月11日 8時
