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「ところで今日は観光どこに行きます？」
私がそう言ったら皆がちょっと笑った。
「俺安倍晴明にご挨拶に行きたい」
二宮さんが乗ってきた。
「じゃあ渡月橋か」
「嵐山？」
「いいじゃん」
そんなこと口々に言いながら何となく悲しい気持ち。
ほんとに行きたい。せっかく来たのに。
しょんぼりしながらご飯をもぐもぐ。
「嵐山はー、仕事終わってからね。今日は中間さんのカメラあずかって、そんでホテルに帰って打ち合わせ」
大野さんがそう言った。
「仕事終わったら行くの？みんなで？」
私の言葉に大野さんがふ、と笑った。
「うん、ちょっとだけね」
やった！
頑張ってさっさと解決しよう！
ちょっとやる気出た！
皆も何となく楽しそうにフフンと笑う。
櫻井さんがパッと目を上げた。
中間さんが来た。
私がそう思う前に櫻井さんはもう立ち上がってドアを開いた。
ちょうどノックしようとしてる中間さんが目をくりくりさせてポカーンとする。
「早！」
「こんにちは」
櫻井さんがニコニコ笑う。
中間さんもニコニコ。
「そっか、聞こえてたんですか」
「ええ、聞いてました、中へどうぞ。あ、そうだ。あの中間さん？」
「はい？」
櫻井さんがスマホを素早く見せた。
『この部屋は盗聴器が仕掛けられてます
適当に話を合わせてください』
と書いてある様子。
中間さんは伝えることは完璧だけど聞くのは聞こえたり聞こえなかったり微妙っぽい。
誤解なく伝えるには文章の方がいいに決まってる。
中間さんが大きな目をまん丸にして頷く。
「……えと、みなさんこんにちは！差し入れです、どうぞー」
「わー！やったー！……わらびもち？」
相葉さんが受け取った。
「あ、そうです、この辺ではちょっと有名なとこのやつです、お口にあえばいいんですけど」
微笑む中間さんが櫻井さんに問いかけてる。
……僕らもここ使ってたんですけど筒抜けやったんですかね？
悲しそうな顔。
切ない。
「多分……」
櫻井さんが小声で返事した。
……でも筒抜けって、誰に？盗聴器、ということは……犯人は人間です？
そういうことになりますかね、と櫻井さんが小さな声で返事する。
「マジですか……」
椅子にドス、と座る。
「腕はどうですか？」
松本さんが中間さんに声をかける。
「あ、明日多分ギプスとれると思います」
「それはよかった」
「僕らがここから退散して、約一ヶ月ってことですね」
中間さんがため息を吐いた。
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みつき - この章はにのと主人公ちゃんの絡みが好きなんです！これ読みたさにもう何度読んだことか！！ (2020年8月8日 7時) (
レス) id: 6d571bc65d (このIDを非表示/違反報告)
みに - こんにちは！もう無の証明4周目です！このお話本当に大好きで続編やビハインドストーリーも希望します！名前のところがAと表示されて変換出来ない状態なのでお知らせに参りました。お直ししていただけると嬉しいです。 (2020年6月2日 15時) (レス) id: 5d98a5a6f1 (このIDを非表示/違反報告)
nyaruru(プロフ) - 楽しみ過ぎてなかなか読み進めれなかったです。更新待ってました！と喜んでいたら、むか〜し高校生くらいのときに不思議だった話が出てきてびっくり！色の見え方や聞こえ方の話です。家族に話してみても共感されなくって、まさかここで出会えるとは感動しました (2019年11月8日 4時) (レス) id: d437e89628 (このIDを非表示/違反報告)
Chisa(プロフ) - いつも楽しく読ませて頂いてます！ (2019年11月4日 4時) (レス) id: 660ab80a22 (このIDを非表示/違反報告)
ぱん(プロフ) - もう本当すごいです。情景がありありと浮かぶし、実写化してほしい。 (2019年11月2日 20時) (レス) id: 3159ad2d1f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：よしの
| 作者ホームページ：
作成日時：2019年6月19日 17時
