〇≠無の証明Ⅳ－１ (ページ38)

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ホテルについて河東さんにお礼を言って降りる。
近所で一番大きくてきれいなところらしい。

ほぼ旅行客しか泊まらないからシングルルームはなく、私は一人でツインルームに泊まって、五人は一緒に泊まれる部屋と聞いた。
打ち合わせは一時間後、と決めて時間通りにみんなのいる部屋に行ってびっくりした。

「なにこれ広……」
「ああ、打ち合わせに使うって言ったら和洋室で6人入れる部屋用意してくれた。あともう一部屋借りてくれてるけど全員一緒でもいいかも、広いし」
大野さんはソファにだらーんとしてそう言った。

「そっちの部屋どう？」
松本さんがミネラルウォーターをごくごく飲みながら私に聞いてきた。

「広くてきれいだったけどこっちの部屋見たら格差がすごい。他のみんなは？」
「そこ」

松本さんが顎でクイッと方向を指し示す。
カーテン越しにうっすら見えるのはまさか。

相葉さんと二宮さんのキャッキャはしゃぐ声と水の音が聞こえる。

「待って露天風呂付きなのこの部屋」
「覗いてみたら？」
ニヤッと笑う松本さん。

「あ、結構です」
「そう？」

「あ、A来てる」
櫻井さんが濡れた髪をゴシゴシ拭きながらバスルームから出てきた。
バスローブ着てる。
ちょっとイラッとした。

「しかたねーだろ！じゃんけんで風呂入る順番決めたんだから！」
「私はこの一時間でシャワー浴びて化粧もして服も着替えて余裕でしたけど！」
「はぁ？部屋風呂が露天風呂だったら普通に湯張るだろ？は？この状況でシャワーで済ます奴いる？」

「俺だな」
松本さんが笑いながらそう言った。

「松本さんは入ってないの？」
「ああ、俺今すぐシャワー浴びたいって言ったから」
「勿体無い」
「あとでゆっくり入るよ」

それが普通だよ。
私が打ち合わせに来ると知っててまだはしゃいでお風呂に入ってる二人が信じられない。

「ニノー、相葉さーん、A来たよ」
櫻井さんがバスルームの方から声をかけてる。

「そこから続いてるんだ」
「見る？」
「……あとでどんな感じか見せてもらおうかな」
「今ならイケメン二人付きのいい風景見れるのに？」

なんでみんな見せたがるんだ。

「喉かわいたー、ビール飲んでいい？」
櫻井さんがそう言った。
ちょっと睨んだら、ああハイハイ仕事中でしたね！って半ギレで言った。

「晩飯はこっちに運んできてくれるみたいだからAもこっちで食べよ」

大野さんがよいしょ、と起き上がった。