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「まって、悪い人じゃなかったのに失礼だよ」
「どう考えてもあれはナンパ」
「そうかなぁ、そんなことなさそうだったけど」
「……」
ああ、機嫌悪くなっちゃった。
「ごめんなさい」
「……」
「潤くん」
「……」
私の腕を掴んだままずんずん歩いていく。
泣きたい。
悪い人に見えなかったから警戒するのは失礼かなあって思ったけど、間違ってたのかな。
「潤くん、怒ってる……？」
潤くんがハッとして立ち止まった。
「あ……」
「ごめんなさい、もう知らない男の人に話しかけられても無視するから許して」
「……」
「もう潤くんから離れて歩かないから、だから……怒らないで」
「……違うんだよ、俺はそういうつもりじゃなくて……」
「じゃあどうしたらいいの？どうしたら潤くんに嫌われない？どう頑張ったら私のこと好きになる？」
「……」
「頑張り方教えて……」
涙が出てきて、慌てて鼻をすする。
「あは、ごめんなさい、すぐ泣くから子供扱いされるんだもんね。泣き止むね！せーの、えい」
息を止めてたら潤くんがため息を吐いて私の頭をぽん、と叩いた。
「俺、Aに言わなきゃいけないことがあるんだけど」
「……なに？」
「ちょっと、待って……考えさせて」
潤くんが小声で呟く。
「振られるなら、あとにしてね！ご飯いってからね！」
「はは」
潤くんが笑った。
潤くんの笑顔の向こうに花屋さんを見つけた。
「あ、お花屋さん、みてみて！可愛い！」
潤くんを振り返ったら、私を見て目を細めた。
「ピンクのお花！」
「Aは花が好きだよな、昔から」
「うん好き！……潤くんもお花似合うよ、薔薇とか！」
「そう？」
「ねぇ、潤くんに今日のお礼にバラ買いたい！薔薇の花持ってほしい！」
「……は？」
「似合うもん、絶対！すみません、あの白い薔薇を……一本500円もするの……？」
私がバラの値段にびっくりしていたら、潤くんから私の肩をすっと掴んで店員さんに声をかけた。
「すみません、一本だけ、プレゼント用にしてもらえますか？」
「はい」
「え、一本だけでいいの？」
「そんなたくさんもらっても困るよ」
潤くんが微笑んだ。
「じゃあ、一本だけ……」
「ありがとう」
店員さんが、一本だけなのにとても素敵にラッピングしてくれた。
「きれいに包んでくれてありがとうございました」
私がそう言ったら店員さんがにっこり笑った。
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りるまめ(プロフ) - 限りある時間を割いて読むのが私の至福のひとときです♪いつも素敵なお話ありがとうございます。 (2018年8月20日 0時) (
レス) id: ac8bd37eaf (このIDを非表示/違反報告)
橘花(プロフ) - スーちゃんどうしたのかなってぞわぞわしますね！きっと鳥籠にいるのを見て放してあげたんだろうけど、心境が切ない。。踊るっきゃねーな！ていいですね！とりあえずくるくる回ってみようかな！彼の守護女神様にぜひばちっと結界をお願いしたいです！！！ (2018年8月15日 23時) (レス) id: 2798c105f2 (このIDを非表示/違反報告)
キミ(プロフ) - いつもワクワクして拝読しております。そしてモゾモゾしちゃうほどに続きが絶妙に気になる終わらせ方で楽しませていただいております。お誕生日までの完結 楽しみにしてます！ (2018年8月15日 20時) (レス) id: 18136aec67 (このIDを非表示/違反報告)
にゃん(プロフ) - 大切で大切で他人に触れさせたくない、大事な女の子。自分ですら許せない…愛情を拗らせちゃった潤君がいとおしい。 (2018年8月11日 14時) (レス) id: aab6d8833f (このIDを非表示/違反報告)
ゆき - はじめまして！！実はかなり前からよしのさんのことを知っておりました。私はよしのさんの小説が大好きです。最初はよしのさんの小説で翔くんを好きになりました。今は潤くんに夢中です。よしのさんのお陰で私は今笑ってられています。ほんとにありがとうございます。 (2018年8月8日 0時) (レス) id: 9f20bed09a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：よしの
| 作者ホームページ：
作成日時：2018年7月14日 10時
