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高校３年になって、大学受験か、専門学校か、就職か。
みんながそわそわし始めた。
私は、というと。
高校３年間、学年で５位以内から落ちることはなかったし、それなりにちゃんと委員なんかも務めて模範生徒だったのもあって、指定校推薦もらえるよ、と言われた。
その中に、行きたいなあって思ってた大学もあって、結構あっけなく決まりそうだ。
まじめに生きてるといいこともあるんだな、と思ったりしつつ。
初めて潤くんとは違う道を選ぼうとしてる。
潤くんの大学なら余裕で合格圏内だけど。
ちょっと、潤くんの束縛から少し逃げたくなった、というのも、理由の一つ。
潤くんは就活に忙しそう。
教育関係の出版や新聞社に絞って、頑張ってるみたい。
バイトの家庭教師で、論文の校正とか色々やってたのを武器に頑張ってるけどなかなか厳しいみたいだ。
だから、Aは少しでもいい大学に行くべきって言われた。
同じくらいのレベルの人と争った時、結局大学名で左右されることもあるらしい。
あと、容姿とかね。って笑って言ってた。
容姿で採用されるなら潤くんはきっとよりどりみどりだ。
美形すぎて、怖そうって思われるかもしれないけど。
夏休みの少し前の夕方、久々にばったり潤くんと帰りの駅で会った。
私は本屋の帰りで、潤くんは就活の帰りでスーツ姿だ。
「潤くん」
「A、久々だな、避けてるだろお前」
「そんなわけないよ！私のこと振ったくせにほんと意地悪」
「いつの話だよ」
「二年前の……あ、今くらいだっけ？もう忘れたけど！」
忘れたことなんてないのに、忘れてたふりをする。
今でも焼き付いてる、潤くんが薔薇を首から千切ったあの瞬間。
「ああ」
「就活、どう？」
「散々」
「えー、意外」
「大手はほぼ全滅だなこれ……」
「そんな大変なの」
「うん、茶でものんでいかね？暑いからちょっと涼もうぜ」
潤くんがそう言って、静かなカフェに入っていく。
席について、アイスコーヒーとカフェオレを頼んで、一息ついた。
「Aは最近どう？」
「特に何にも変わったことないよ」
「……佐藤くんは？」
「受験勉強で忙しそう」
「友達は？麻衣ちゃんと松島くん」
「あの二人は専門学校に行くって。美容系とファッション系の」
「へえ」
「佐藤くんはお家を継がなきゃいけないから。私と一緒の大学目指してる」
「……あ、そうなんだ」
潤くんが吐息だけで少し笑った。
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りるまめ(プロフ) - 限りある時間を割いて読むのが私の至福のひとときです♪いつも素敵なお話ありがとうございます。 (2018年8月20日 0時) (
レス) id: ac8bd37eaf (このIDを非表示/違反報告)
橘花(プロフ) - スーちゃんどうしたのかなってぞわぞわしますね！きっと鳥籠にいるのを見て放してあげたんだろうけど、心境が切ない。。踊るっきゃねーな！ていいですね！とりあえずくるくる回ってみようかな！彼の守護女神様にぜひばちっと結界をお願いしたいです！！！ (2018年8月15日 23時) (レス) id: 2798c105f2 (このIDを非表示/違反報告)
キミ(プロフ) - いつもワクワクして拝読しております。そしてモゾモゾしちゃうほどに続きが絶妙に気になる終わらせ方で楽しませていただいております。お誕生日までの完結 楽しみにしてます！ (2018年8月15日 20時) (レス) id: 18136aec67 (このIDを非表示/違反報告)
にゃん(プロフ) - 大切で大切で他人に触れさせたくない、大事な女の子。自分ですら許せない…愛情を拗らせちゃった潤君がいとおしい。 (2018年8月11日 14時) (レス) id: aab6d8833f (このIDを非表示/違反報告)
ゆき - はじめまして！！実はかなり前からよしのさんのことを知っておりました。私はよしのさんの小説が大好きです。最初はよしのさんの小説で翔くんを好きになりました。今は潤くんに夢中です。よしのさんのお陰で私は今笑ってられています。ほんとにありがとうございます。 (2018年8月8日 0時) (レス) id: 9f20bed09a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：よしの
| 作者ホームページ：
作成日時：2018年7月14日 10時
