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新入社員の頃、初めてこの人たちが同期になるのね、と周りを見渡した時、手に持っていた筆記用具やらなんやらを危うく落としそうになった。
何このイケメン揃い。
真っ青。
勘弁してよ。
入社式の新入社員代表挨拶の滝沢くんって子がびっくりするほど爽やかイケメンで、ただでさえ動揺していたというのに。
入社して最初の研修で大きな会議室なんかに集められて、グループ分けしたときに一緒になったのは、今思えば企画部に配属される人と営業部の人達だった。
設計部、人事や経理や庶務なんかも別室で、秘書やら受付とかも別。
どうやらゆくゆくは企画部と営業部は統合する予定になっていて、お互いかなり仕事の内容がかぶっているのもあり、私たちは同じ部屋で同じことを研修した。
その中にいたのは、出席番号で言うと一番の相葉くん、そして、相葉くんといつも一緒にいる二宮くん。あとは櫻井くんとか村上くん。
営業からは横山くん、風間くん、生田くん。
イケメンで選んだんだ。
人事の人はきっとイケメン好きなんだ。
ガタガタ震えながら研修を過ごす日々。
特に。二宮くんを見たら、震えがやばい。
同期の優しいおっとりとした竹内さんが、渡瀬さん大丈夫？って心配してくれるくらい、顔が真っ青だったらしい。
そう、私は。
嘘だといわれるのを覚悟で告白すると『イケメン恐怖症』なのである。
恐ろしい。とにかく嫌いだ。怖い。
理由は小学校の頃にさかのぼる。
当時私は母親の趣味でフリフリのスカートとフリフリのブラウスを着、茶色いふわふわとした髪をポニーテールするような、俗に言う、可愛らしい女の子だった。
ランドセルも、周りの子は赤だったのにピンクだったし、靴もキラキラのついたもので、靴下にはレースが施されてあり、持ち物すべて、ザ・女の子、だった。
ピアノとバレエを習い、お嬢とか呼ばれたりもした。
そして、４年生になるころ、それは、突然始まった。
クラスで目立っていた人気ものの男子が、私を執拗にからかってきたのだ。
机の上にはセミの抜け殻、テントウムシ、コガネムシ、バッタが日替わりで置かれた。
給食を食べていたら、う○こ食ってる、などと連呼された。
スカートをめくられたし、靴も隠された。
Aちゃんが可哀そうでしょ、やめなよ男子！
そんなよくある光景の真ん中で泣いてるのはたいてい私。
なんでこんなことするの。
私の言葉にそいつ、木下は言った。
「お前見てたらむかつく」と。
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作者名：よしの
| 作者ホームページ：
作成日時：2017年6月17日 4時
