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次の日の次の日も、メグちゃんは落ち込んだまま、笑わなかった。
でも、田村くんは、結果次第では学校を辞めて結婚して二人で子供を育てる、って言ったらしくて、意外と男らしくて安心した。

吉沢くんは、挨拶はするけど、もう話しかけてこない。
吉沢くんに、慰めて、っていうのは簡単だけど、それをしちゃったら自分のおにいちゃんの想いが汚れる気がした。

その日の夜、メグちゃんから電話がかかってきた。

「もしもし?」
「A」
泣き声。慌ててリビングから自分の部屋に戻る。

「どうしたの?」
「生理がきた」

ほー、っとため息が出た。
「そっか」
「覚悟決めて、ホッとしたからかな」
「……うん」
「明日、うちの両親に挨拶に行くって、しゅうちゃんが言って」
「田村くん、腹くくったのね……殴られる場面だよね……」
「今、もう大丈夫だよ、って電話した」
「喜んでた?」
「ちょっと、気が抜けてがっかりした感じになった」

やった!とか言ったら別れろ、って言おうと思ってたけど、そうじゃなくて安心した。

「……へえ、いい子だね、田村くん」
「そうかな」
「そうだよ、メグちゃんとの赤ちゃんほしいって思ったってことでしょ?」
「……」
「でもまあ、今の田村くんじゃお父さんとお母さん、許してくれないと思うけどね!」
「そうだよね……」
「そうだよ!娘には絶対幸せになってもらわなきゃ困るんだもん!どこの馬の骨かもわからん男に娘はやれん!ってね」
「あはは」
久々に聞くメグちゃんの笑い声にうれしくなって、調子に乗ってお父さんのまねっこをしてみる。

「クソガキが何が責任取る、だ!ダメだダメだ!いい大学出てちゃんとした大手の企業に就職決めて、それからもう一度来い、……話はそれから……だ、って……」

ふと頭をよぎる、微かな疑惑。

「ん?」
「……そこまで頑張れたなら、本気だって認めてやってもいい……?」
「……どうしたのA?」
「まさか、……それまで、会わない、ってこと?」
「……どうしたの?」
「あ、ごめん、ちょっと急用思い出しちゃった。また明日の終業式で!」
「あ、うん!ごめんね、それとありがとうA!」
「何言ってんの!じゃあね」

急用なんてないけど、話していられなくて、電話を切った。

ねえ、ひょっとして。
おにいちゃんは、まさか。

一人前の男になって、迎えに来る、ってお父さんに言ったのかもしれない。

でも、もう。
確認する、意味もないけれど。

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作者名:よしの | 作者ホームページ:   
作成日時:2016年5月31日 0時

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