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和くんの声が、ちょっと切羽詰まったような感じに響く。
「どうした？具合悪い？」
「ちが」
「……どうした？開けていい？」
「だめ」
「うっせ！」
がちゃ。
ああ、勝手に開けられた。
そのまま部屋の中にどかどか入ってきて、布団をばっ！と捲られる。
「も、やだ……見ないでよお」
「やっぱ、泣いてると思った……そんな声」
「……出てって！」
「いや」
「……」
「理由聞くまで出ていかない」
ベッドに座られた。
慌てて布団にくるまる。
また剥がされる。
「もお！何よ！」
「どうしたの？うちのかーちゃんのこと？お父さん取られたーって泣いてんの？」
「そんなわけないでしょお」
「どうだか！じゃあ、理由いいなさいよ」
「やだ！」
「言えって！」
頭をわしわし、撫でられた。
あったかい。
この人は、あったかい。
「……私……」
「うん」
「私なんか、生まれてこなきゃよかったのにね？」
そういったら、また涙がぽろぽろ出てきた。
「どうしてそう思った？……お客さん、来てたよね？お茶のコップあった」
「……」
「その人になんか言われた？」
「違うの」
「ん？」
和くんがベッドから下りて、ベッドに直接顎を乗せて、ふとんの隙間から私を覗いた。
「どうした？」
「私のお母さんね」
「うん」
「体が弱くてね、私を生んでしばらくしたら亡くなったって聞いてたの」
「うん」
「でもほんとは違ったの」
「ん？」
「たぶん、妊娠してから癌が見つかったんだと思う、子供諦めて手術しろってお父さんが言ったって、おばちゃんが言ってた」
「おばちゃん？今日来てたのは、おばさん？」
「うん。お父さんのお姉さん」
和くんが、ふーっとため息を吐いた。
「それで？」
「お父さん、泣いて、手術してくれって、言ったんだって」
「まあそう言うだろうね」
「私さえいなければ、お母さんはもしかしたらまだ生きてたかも」
「……」
「私、お父さんにずっとずっと憎まれてたのかなあ」
あは、って笑ったら、また涙がボロボロ出てきた。
「はああ？」
和くんが心底バカにしたみたいに、あきれたような声を出した。
「……え」
「憎まれてた？誰が？誰を？」
「お父さんが、私を……」
「どうしてそう思うの」
「だって！入学式とか、私の成長が分かるタイミングでいつも泣いてた！お母さんのこと思い出して泣いてたんだよきっと！私さえいなければ」
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なるちゃん(プロフ) - うわーん！ 涙涙、、、 カズくんがお兄ちゃんでよかった！！ (2018年1月29日 10時) (
レス) id: a1fe1fb9b8 (このIDを非表示/違反報告)
こずえ(プロフ) - こんばんは。いつも読ませて頂いてます。年の近い兄ってこんな感じなのかなって想像しながら読んでます笑 冷たくしてしまうお兄ちゃん…素直じゃないですね〜 これからどうなるのか楽しみです！ (2016年5月13日 23時) (レス) id: bf5dbd1af4 (このIDを非表示/違反報告)
るこ(プロフ) - こんにちは♪お兄ちゃんたらっ///本当に素直じゃないんだからと、悶ております♪今度はいつ、甘やかしてくれるのかしらん♪ (2016年5月13日 14時) (レス) id: c20acea42a (このIDを非表示/違反報告)
梨沙(プロフ) - お兄ちゃんのバカ！でも好きで好きで死にそうです。今日はどんなウィンクで殺しに来るのかと♪(´ε｀ ) (2016年5月13日 13時) (レス) id: e385bf4ae4 (このIDを非表示/違反報告)
ebi信号(プロフ) - 我のアホな行動、言動にズドーンと堕ちてた、けど、やっぱり読みたくなってしまう…(T＿T)ｼｭｰﾝ (2016年5月13日 13時) (レス) id: 76d9f58a12 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：よしの
| 作者ホームページ：
作成日時：2016年4月22日 14時
