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「やっぱり顔見知りだったのね」
女の人が笑った。
二宮先輩にそっくりだ。きっとお母さん。
「……先輩は、有名ですから」
「そうなの？」
「お友達がみんな目立つ方ばかりで」
そう言ったら二宮先輩が、またケッ、と笑う。
「松本くんとかね！」
「……」
「あー、あと、松本くんとかもだな！」
「……」
「他にはー松本くん！やっぱ松本くんは有名だよねぇ」
「……あの」
「櫻井くんと大野くんと相葉くんもだけど、やっぱり松本くんだよなぁ！モテモテだしね、ねぇA？」
何この人！
思いっきりすねを蹴りたい！
「松本くんにラインしとこかな、あ？松本くんのラインのID知りたい？売るよ！一万円」
「……」
「松本くんここに来ないかなあ、誘っちゃおっかな？ねぇどう思う？A」
「あの、二宮先輩？」
「あれれ？怖い顔ー。そんな顔してたら嫌われちゃうよ、松本くんに！」
「仲良しみたいだな」
どこを見てそう思ったのか知らないけどお父さんがそう言った。
「松本くんとAちゃんはお友達？」
先輩のお母さんが聞いてきた。
「松本先輩はブラバンの先輩だったんです！」
「ああ、それで」
一応納得したみたいになってるけど普通に緊張しててわけわかってないんだと思う、異様な空気。
「お兄ちゃん、って呼んでみ？」
二宮先輩がいきなりそう言ってきた。
「は？」
「お、に、い、ちゃ、ん！」
「おにいちゃん……」
「そうそう、お兄ちゃん」
「……誰をですか？」
「俺のこと。お兄ちゃん。今日からお前のお兄ちゃん、だよね？お父さん！」
二宮先輩が、私のお父さんにニッコリ微笑んだ。
お父さんダメ！
だめよ！この人は！
騙される！
気難しいって有名な先生とか、去年なんて怖くて誰も近づかない不良の人とかにも可愛がられてたのよ！
ついた異名が、人たらし。
人どころか、この前犬にももててた。
思わず隣のお父さんの顔を見たら、完全にデレた。
「息子……っていいなぁ」
「俺もお父さんって呼ぶの、憧れてた」
おえも、おとーさんってのにあこがえてた。
みたいな舌っ足らずで、ふふふって笑う。
「何か食う？」
「はんばーぐ！」
くすくす笑い合う大人たち。
なにこの茶番。
三人で仲良く親子ごっこやっててくれ。
「Aは？」
先輩が私を見て言った。
「食欲ない……」
「ああ、ダイエット？しなきゃね、そのほっぺ」
ギリギリ。
歯ぎしりが止まらない。
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なるちゃん(プロフ) - うわーん！ 涙涙、、、 カズくんがお兄ちゃんでよかった！！ (2018年1月29日 10時) (
レス) id: a1fe1fb9b8 (このIDを非表示/違反報告)
こずえ(プロフ) - こんばんは。いつも読ませて頂いてます。年の近い兄ってこんな感じなのかなって想像しながら読んでます笑 冷たくしてしまうお兄ちゃん…素直じゃないですね〜 これからどうなるのか楽しみです！ (2016年5月13日 23時) (レス) id: bf5dbd1af4 (このIDを非表示/違反報告)
るこ(プロフ) - こんにちは♪お兄ちゃんたらっ///本当に素直じゃないんだからと、悶ております♪今度はいつ、甘やかしてくれるのかしらん♪ (2016年5月13日 14時) (レス) id: c20acea42a (このIDを非表示/違反報告)
梨沙(プロフ) - お兄ちゃんのバカ！でも好きで好きで死にそうです。今日はどんなウィンクで殺しに来るのかと♪(´ε｀ ) (2016年5月13日 13時) (レス) id: e385bf4ae4 (このIDを非表示/違反報告)
ebi信号(プロフ) - 我のアホな行動、言動にズドーンと堕ちてた、けど、やっぱり読みたくなってしまう…(T＿T)ｼｭｰﾝ (2016年5月13日 13時) (レス) id: 76d9f58a12 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：よしの
| 作者ホームページ：
作成日時：2016年4月22日 14時
