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二週間後の日曜日。
和くんとおばさんが、家に引っ越してきた。
その間にも時々家に来て、ご飯をいっしょに食べたりして、おばさんとも心を開いていく。
元々人見知りしない性格だし、おばさんもあまりゴリゴリくる感じじゃないことも、よかったのかも。
ご近所さんはヒソヒソやってた。
最近、女の人来るわよね。
年頃の若い男の子も一緒にね。
なんか怪しいわね。
再婚するのかしら。
遠まわしに聞いてくる人もいた。
『この前女の方が玄関掃除してらしたけど、お手伝いさん？』
なんてわざとらしい。
『ああ、最近仲良くさせて頂いてる方で』
とか適当に答えてきたけど、そろそろ限界か。
引っ越しの日の朝、意を決した。
「おとうさん」
「ん？」
「今日一日、バタバタしてご迷惑おかけします、ってご挨拶してくる、ご近所に！」
「……それはお父さんが」
「私がいく」
「勇ましい」
うー。ドキドキする！
いくぞ！
ピンポーン。
一先ず、一番付き合いが深い、お隣さん。
「はーい、あらAちゃん」
「こんにちは！あの」
「どうしたの？」
いくぞ。
頑張れ私！
「今日、うちに義理のお母さんとお兄ちゃんが引っ越してくるの！」
「……！」
お隣のおばさんが目を見開いた。
「バタバタしてお騒がせしちゃうかも。よろしくお願いします」
「いいのよ、わざわざありがとう……Aちゃん、嬉しい？」
探るような目。
「私お母さんの記憶がないから、いたらきっとこんな感じかなぁって、すごく楽しい！来年は私受験だし、正直ちょっと助かるし」
てへぺろ顔。
「あらそう……」
「なんだか私より可愛いお兄ちゃんできるのは、ちょっとやだけど……」
「お兄ちゃん？」
「どうせなら、ラグビー選手みたいなお兄ちゃんが良かったのにー！」
なんて言いながら、ついこの前までみんなが真似してたラグビー選手のまね。
おばさんが、あはは！って笑った。
「じゃああっちのお隣もご挨拶しなきゃ！あとでお母さんとお兄ちゃんが挨拶に伺います！」
「あらそう？お手伝いできることあったら言ってね！」
「ありがとう！」
そう言って、ペコリと頭を下げて走っていく。
これで多分、Aちゃん可哀相って言われなくて済む。
可哀相の基準って何。
私自分のこと一度だって可哀想なんて思ったことないのに。
自分が当たり前に持ってるものを人が持ってない時に可哀想って？
同情してるふりして自分が一番差別してるってこと気づかないの？
残酷な普通の人々。
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なるちゃん(プロフ) - うわーん！ 涙涙、、、 カズくんがお兄ちゃんでよかった！！ (2018年1月29日 10時) (
レス) id: a1fe1fb9b8 (このIDを非表示/違反報告)
こずえ(プロフ) - こんばんは。いつも読ませて頂いてます。年の近い兄ってこんな感じなのかなって想像しながら読んでます笑 冷たくしてしまうお兄ちゃん…素直じゃないですね〜 これからどうなるのか楽しみです！ (2016年5月13日 23時) (レス) id: bf5dbd1af4 (このIDを非表示/違反報告)
るこ(プロフ) - こんにちは♪お兄ちゃんたらっ///本当に素直じゃないんだからと、悶ております♪今度はいつ、甘やかしてくれるのかしらん♪ (2016年5月13日 14時) (レス) id: c20acea42a (このIDを非表示/違反報告)
梨沙(プロフ) - お兄ちゃんのバカ！でも好きで好きで死にそうです。今日はどんなウィンクで殺しに来るのかと♪(´ε｀ ) (2016年5月13日 13時) (レス) id: e385bf4ae4 (このIDを非表示/違反報告)
ebi信号(プロフ) - 我のアホな行動、言動にズドーンと堕ちてた、けど、やっぱり読みたくなってしまう…(T＿T)ｼｭｰﾝ (2016年5月13日 13時) (レス) id: 76d9f58a12 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：よしの
| 作者ホームページ：
作成日時：2016年4月22日 14時
