27、誕生日プレゼント ページ27
会えない夏休みが過ぎて、２学期が来た。
夏休み中に松本くんの誕生日があって、二人で電車に乗って海に行ったとからんちゃんが言ってるのを聞いて。
ノロケに耐えられなくて、横にいる二宮くんに何気なく話を振る。
「そういえば二宮くんの誕生日いつ？」
「……それさ、聞くの3ヶ月くらい遅いよ」
二宮くんが、あっちー、とかいいながら、ぬるいペットボトルのお茶を飲み干した。
動く喉仏をぼーっと見てたらチラ、と視線だけを私に向ける。
「6月だった。6月17日」
「へえ……」
「なんかくれんの？」
「何がほしい？聞くだけ聞いてあげる」
「んー……家？」
「サラリーマンが一生かかっても払えるかビミョーなモノをせがむとかこの人最悪！」
「うそうそ……じゃ、俺のこと和って呼んでよ、それでいいや」
「……和……」
「うん」
「和」
「ん」
くふふ、って楽しそうに笑う。
「いつから俺のこと和って呼ぶのかなぁって気にすんの面倒臭いからさっさと呼び方かえてくれるかな」
「……え？」
「こっちのこと。あ！でもそれなら肩揉んでもらえばよかった！」
「五分だけならいいよー」
「やったぜ！」
「年に一度だけだよ」
「肩たたき券みたいな」
「そう！」
首の付け根を指でぐーっと押さえたら、うー、って唸った。
「痛い？」
「痛くない、全然。ツボに入った」
「こってますねー」
首をぐぐっと押さえたら、いー！って言った。
「痛い？」
「だから痛くないってば！もっと強くでもいいくらい」
「じゃ、いくよ、上から！」
「上から？」
頭から順番にぐりぐりやって、背中を反り返らせて、最後に、目の周りまでぐりぐりやって、ハイ終わり、って肩をたたいたら、
あー……って、脱力した。
「ん？」
「これ、年一回？」
「うん」
「なんでこんな上手いの」
「両親がすごい肩こりで、週に一回くらいやってるよー」
「……家族羨ましい……」
「家族になるー？」
冗談で言ったら、は、って笑った。
「彼氏にもやってあげんの？」
「彼氏できたらね！」
「彼氏いた事ある？」
「うるさいなぁ」
「……お前、もしかして処……」
「うるさぁーい！」
肘で肩のツボをぐりぐりー！
「気持ちいい！」
「これでもかー！」
「痛気持ちいい！」
「効かない！どれだけ！」
「Aの彼氏になったら、毎日天国かも」
「……彼女にやって貰いなさいよ」
「Aがいいの」
酷い男。
「くらえ！」
「痛気持ちいい！」
酷い男。
酷いよ、和。
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みゅう(プロフ) - 解放ありがとうございます。涙。だいすきです。。 (2019年10月20日 22時) (
レス) id: 94596ebf5a (このIDを非表示/違反報告)
あやか(プロフ) - この学校に通いたいです。。こんな青春したい。。よしのさんのお話すごいツボです〜 (2016年1月6日 22時) (レス) id: 8994b070b7 (このIDを非表示/違反報告)
RAITO - こんにちは!!RAITOと申します。読ませていただきました。今までとは少し違うテイストの物語でわくわくします《*≧∀≦》青春の甘酸っぱい香り!! (2015年6月27日 11時) (レス) id: 485e47e579 (このIDを非表示/違反報告)
ちょりん(プロフ) - 高校までの6年やってたユーフォが出て浮かれてたら、最近始めたコンバスが！しかも担当が！勿論話も楽しくて(><)何があるのかドキドキしてます！ (2015年6月10日 1時) (携帯から) (レス) id: 83acbf6b6f (このIDを非表示/違反報告)
ぽにょか(プロフ) - 青春、ＳＦ、長編、どんと来〜い♪ 楽しいです。切なさもありつつ、和の避けたかった未来、それでよかったのか和と、分からないまま 和を叱咤激励、主人公ちゃんを応援しながら日々過ごしてます。 (2015年6月9日 23時) (携帯から) (レス) id: 0bab093355 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：よしの
| 作者ホームページ：
作成日時：2015年5月30日 17時
