13、夢の中の ページ13
櫻井くんたちが、色々学校の事というか部活のことを教えてくれて、
何気なくペンケースを取ろうと膝の上に置いたバッグを見たら、一枚トランプが置いてあった。
「……ん？」
ジョーカーだ。
ジョーカーには、ブラバンにようこそ、って書いてあった。
ずっと待ってた？
どういう意味だろう。
これまずいよね。
私絶対、好きになっちゃうパターンだ。
もう一度ちらっと盗み見したら、相葉くんとふざけあってる。
っていうか絡まれてる。
「あの二人ね、幼馴染み」
大野くんが、言った。
「へえーいいですね、私、親が転勤族だから幼馴染みいなくて……」
「ふーん」
「大野くんは部長なんでしょ？忙しい？」
「翔ちゃんのが、もっといそがしいよ」
「そうなんですか？」
「うん。おれも忙しいけど」
「へえー」
ああ、和む。この人和む。
「がっき、ふく？」
「誰がどのパートなんですか？」
「翔ちゃんは、ボーンでしょ、ニノとまちゅ潤は、ペットで……」
「まちゅ？」
「松本。潤はペットでー」
「あは。はい」
「おれはー、いろいろ」
「色々？」
「トロンボーンやったりユーホやったり」
「口、大変でしょ」
「あのね、この歯が、じゃまで……」
きらんって犬歯を見せる。
「ああ、息漏れますねー」
「うん」
にこにこ。
「でもへいき。相葉ちゃんもだし」
「へえー」
二人で、楽器の棚を眺めてたら、後から声がした。
「ね、」
「ん？あ、ニノ」
「ちょっとA貸して？」
なんだろう、なんというかこの人。
ずっと前から知り合いみたいな扱いというか。
「ニノミヤくん」
「和だよ」
「……そんないきなり」
「でも、和って呼んでたよ、夢の中で」
「……え？」
じー、と目が合った。
「お前誰だろうなってずっと思ってた。うちの制服着てんのに、うちのがっこにいないんだもん」
「……」
「後輩かな、って思ったんだけど、後輩にも居なくて……」
「え？何の話」
「俺ね、あの鏡の話信用する。だって俺お前見たもん。夢の中で。もっと……髪長かったけど」
「……なんのこと……？」
二宮くんが、トランプをぱらぱらぱらって、器用に弾く。
「ずっと待ってた、……夢の中の、お前に会えるの」
「え？」
「じゃ、そういうことで。みんなごめん、ちょっと先帰るね、用事おもいだしちゃって」
二宮くんが、流し目みたいに私を見て、準備室を出て行った。
彼の背中。
胸がドキンドキンと鳴ってる。
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みゅう(プロフ) - 解放ありがとうございます。涙。だいすきです。。 (2019年10月20日 22時) (
レス) id: 94596ebf5a (このIDを非表示/違反報告)
あやか(プロフ) - この学校に通いたいです。。こんな青春したい。。よしのさんのお話すごいツボです〜 (2016年1月6日 22時) (レス) id: 8994b070b7 (このIDを非表示/違反報告)
RAITO - こんにちは!!RAITOと申します。読ませていただきました。今までとは少し違うテイストの物語でわくわくします《*≧∀≦》青春の甘酸っぱい香り!! (2015年6月27日 11時) (レス) id: 485e47e579 (このIDを非表示/違反報告)
ちょりん(プロフ) - 高校までの6年やってたユーフォが出て浮かれてたら、最近始めたコンバスが！しかも担当が！勿論話も楽しくて(><)何があるのかドキドキしてます！ (2015年6月10日 1時) (携帯から) (レス) id: 83acbf6b6f (このIDを非表示/違反報告)
ぽにょか(プロフ) - 青春、ＳＦ、長編、どんと来〜い♪ 楽しいです。切なさもありつつ、和の避けたかった未来、それでよかったのか和と、分からないまま 和を叱咤激励、主人公ちゃんを応援しながら日々過ごしてます。 (2015年6月9日 23時) (携帯から) (レス) id: 0bab093355 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：よしの
| 作者ホームページ：
作成日時：2015年5月30日 17時
