12、ババ抜き ページ12
「……えっと、これだ！……うわ！」
ああ、櫻井くん、いきなりジョーカーひいちゃった。
でもそんな言い方したら。
二宮くんが、櫻井くんをじいっと見て、カードを一枚引いた。
ポーカーフェイス。
全然わかんないけど、櫻井くんが嬉しそうにちょっと笑ったから、多分。
ジョーカーが二宮くんの元に。
「いいこと教えてあげる」
松本くんが、キッラキラの笑顔を撒き散らして、言う。
「もし、女の子たちを追い払う役目で入部してくれたら、学年トップの男がいるからテスト勉強はかどるよ」
「学年トップ……？」
「あとお菓子食べ放題」
「お菓子」
エンジェルスマイルの松本くんに頭がくらくら。
二宮くんが悪戯っぽく笑って、言う。
「あと、いじめられる心配は恐らくない。松本くんの祟りもあるらしいから」
くすくす。は？とか松本くんに言われてる。
「でも表向きは楽器できないと困るから、パートは？」
櫻井くんが聞いてきた。
「ホルンだった」
「……ホルン？アンサンブルできるじゃん」
櫻井くんが、嬉しそうに笑った。
どうやら、こちらの皆さんは。
トランペットとトロンボーンとユーフォニウム、時々チューバというみなさんで。
ホルンがいないな、って話をしてたらしく。
ババ抜きは、櫻井くんと大野くんが抜けて、私と二宮くんの対決になった。
「……んー」
二宮くんがじいっとトランプを見て、けほって咳をして、立ち上がってカバンからペットボトルを取り出した。
「風邪？」
「違うよ、でも待って」
お茶を飲んでる姿をぼおっと眺めてたら、ぱちっと目が合った。
今日さー、アイツがさ……。
……うそ、マジ？
松本くんと櫻井くんが二人で話してる。
大野くんは眠そうに、船を漕いで、相葉くんは、さぼっちゃったなーなんていいながら、窓の外を見た。
「はい、続き」
椅子にがたんって座って、私を見る。
「選んで」
「……」
「Aが選ぶんだからね」
「え？」
カードをひいたら、ハートのＡ。
私の勝ちだけど、でも。
『ずっと待ってた』
って書いてる。
何、これ。どういう。
「……え？」
「あ、そっち選ぶの？俺の負け！」
「めずらしー！ニノが負けたから罰ゲーム！」
「ええー！」
ぐらり。
視界がゆれた。
二宮くんは器用に、もう一枚ハートのＡを出して、箱の中に、トランプを仕舞った。
「入部するよね？」
……うん。
気付いたら、うなづいてた。
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みゅう(プロフ) - 解放ありがとうございます。涙。だいすきです。。 (2019年10月20日 22時) (
レス) id: 94596ebf5a (このIDを非表示/違反報告)
あやか(プロフ) - この学校に通いたいです。。こんな青春したい。。よしのさんのお話すごいツボです〜 (2016年1月6日 22時) (レス) id: 8994b070b7 (このIDを非表示/違反報告)
RAITO - こんにちは!!RAITOと申します。読ませていただきました。今までとは少し違うテイストの物語でわくわくします《*≧∀≦》青春の甘酸っぱい香り!! (2015年6月27日 11時) (レス) id: 485e47e579 (このIDを非表示/違反報告)
ちょりん(プロフ) - 高校までの6年やってたユーフォが出て浮かれてたら、最近始めたコンバスが！しかも担当が！勿論話も楽しくて(><)何があるのかドキドキしてます！ (2015年6月10日 1時) (携帯から) (レス) id: 83acbf6b6f (このIDを非表示/違反報告)
ぽにょか(プロフ) - 青春、ＳＦ、長編、どんと来〜い♪ 楽しいです。切なさもありつつ、和の避けたかった未来、それでよかったのか和と、分からないまま 和を叱咤激励、主人公ちゃんを応援しながら日々過ごしてます。 (2015年6月9日 23時) (携帯から) (レス) id: 0bab093355 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：よしの
| 作者ホームページ：
作成日時：2015年5月30日 17時
