11、受付の人材 ページ11
「……ああ、可哀想……」
「なぐさめてくれんの？」
うるうる。
きらきらの目が、うるうるしてるように、見える。
「え」
「……Aちゃん、ほら、どうぞ」
相葉くんが一枚だけ飛び出した、明らかにおかしいカードの束を私に見せる。
「はい」
なんの迷いもなく怪しいカードを取ったら、また一枚ペアができた。
「は！Aちゃんっていい子だ！なんかごめん」
相葉くんががっかりした。
「はい、一枚」
松本くんがカードを取って、そろわねー、って呟く。
「お分かりいただけたかな？ここはブラバンとは名ばかりの被害者の会。ただとっても困ったことにここには受付がいない」
櫻井くんが、はーっとため息を吐いてる。
「受付？」
「そう。例えばこの部室に突然女が入部希望とかで来た場合。誰を目当てに来るのか一目で分からない。わかりやすく色分けでもすべきかと考えてるところだけど」
「色分け……」
「ゴレンジャーとかみたいな？」
二宮くんがカードを引きながら、ぶつぶつ言ってる。
「青と、紺と、水色と、ターコイズブルーと、藍色とかね」
「全部青じゃん！」
「仕方ないでしょ、制服が紺色とグレーの……あ、あと２枚」
「え？ジャケットとかネクタイで色分け？」
「なに？頭にリボンでもつけるの？」
二宮くんと相葉くんが大野くんを挟んでやいやい話してる。
「ぱっとみ、誰が誰を好きなのかわからないから、とりあえず受付に困ってる。本人が出てきたら、また『松本くん参り』の効果がどうのこうの」
「男、誰かさそう？って話で、被害者の会入りたいってやつがいたんだけど、そいつ翔さんのことが」
松本くんが言いかけて、その話やめてって、櫻井くんがげっそりした。
「まあ、そういうことで、俺らのことを好きでなくて、さらに、今回のことに関与していない人物を探すのが大変でさ」
「……同好会じゃなくて、クラブとして、やっていきたいしね」
みんなが口々に言ってる中、ついに、私がジョーカーを引いた。
「よし！」
ああ、相葉くん、そんな喜ばれちゃ私がジョーカー持ってるってバレちゃう。
「あ」
「ん？」
松本くんがカードを慎重に引く。
ガン見されてる。
眼力、やばい。
「これだな」
引いた一枚はジョーカーじゃないほうで。
「あがりー！」
松本くんが一番に、あがった。
「俺、Aちゃんの引くの？」
「そう」
櫻井くんの声に、二宮くんがうなづく。
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みゅう(プロフ) - 解放ありがとうございます。涙。だいすきです。。 (2019年10月20日 22時) (
レス) id: 94596ebf5a (このIDを非表示/違反報告)
あやか(プロフ) - この学校に通いたいです。。こんな青春したい。。よしのさんのお話すごいツボです〜 (2016年1月6日 22時) (レス) id: 8994b070b7 (このIDを非表示/違反報告)
RAITO - こんにちは!!RAITOと申します。読ませていただきました。今までとは少し違うテイストの物語でわくわくします《*≧∀≦》青春の甘酸っぱい香り!! (2015年6月27日 11時) (レス) id: 485e47e579 (このIDを非表示/違反報告)
ちょりん(プロフ) - 高校までの6年やってたユーフォが出て浮かれてたら、最近始めたコンバスが！しかも担当が！勿論話も楽しくて(><)何があるのかドキドキしてます！ (2015年6月10日 1時) (携帯から) (レス) id: 83acbf6b6f (このIDを非表示/違反報告)
ぽにょか(プロフ) - 青春、ＳＦ、長編、どんと来〜い♪ 楽しいです。切なさもありつつ、和の避けたかった未来、それでよかったのか和と、分からないまま 和を叱咤激励、主人公ちゃんを応援しながら日々過ごしてます。 (2015年6月9日 23時) (携帯から) (レス) id: 0bab093355 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：よしの
| 作者ホームページ：
作成日時：2015年5月30日 17時
