19.雪月花 ページ22
picrewでAさんのイメージを作りましたー。
私的には、めっちゃすきです。はいお話へどうぞ。
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「ねぇ、華さん。ねぇってば…どうかしたの?」
Aは馴染みの客との行為でふと、動きを止めていた。Aに溺れている客はAが早く欲しくて堪らなくて手を伸ばした。
「ッ…いや、___様が色っぽくてね」
Aは自分が初めて行為に不満というのか不快感を感じていた。そして、亜簾のことを想っていた。
「ふふ…、あぁ…私早く華さんが欲しいわ」
この馴染みはよくAの身請けをしたい、とAに告げてきてはいたが軽くAは流していた。
「俺には勿体ない…、あぁ、いつかはそうなれば幸せだろうな」
Aは、思い直した。自分が身請けに応じれば、亜簾はこんな世界に来ることはなくなるだろうと思った。この時代で、亜簾の年で結婚をしているのは普通の事だ。
「___様、アンタにとって俺はなん…」
「全てよ、夫よりも大切。華さんは私の全て。
だから、お願い。嘘でもいいから今だけでもいいからもっと貴方をちょうだい?」
女は即答だった。例え、愛されていないと、偽りだと分かっていても手に入れたいほど、その女はAを愛していた。はしたなくも、オンナは自分から腰を振るのだった。
「っ…___さ、ま…あんまり急かさないでくれよ…っ」
「あっ、もっと…もっとよ………ん、ああっ!!」
Aはまた、自分で自分の心も身体も汚していく。
夜明け、Aは目を覚まして自分の身なりを整え、客を起こす。客は、寝惚けながらAに甘え、接吻を要求したが、Aは交わさなかった。
「…はぁ。華さん、貴方を奪ったのは誰かしら」
「寝惚けてるのかい、…天璋院様」
天璋院篤姫。天下に名高い第13代将軍徳川家定の妻である。何故、天下の将軍の正室がこんな所にいるのか。第13代将軍徳川家定は病弱により、夫は寝たきりでとても幸せな結婚生活ではなかった。もとよりこの時代に幸せなどないのだが。天璋院篤姫は充分に愛されていたようだが、天璋院は満ち足りていなかった。
天璋院篤姫は生涯子を成していない。
「ねぇ、どんな御方…?」
「訳のわからない奴だ」
「…そう」
それ以来、天璋院篤姫は見世に来ることは無かった。
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Ria。(プロフ) - 初めて見たのですが、、ッ好きすぎます。尊すぎます。こんな尊い小説があってもよろしいのでしょうか。ええ、もちろんあってよろしいです。この素晴らしい小説に出会えて良かったです!! (2022年4月29日 18時) (レス) @page46 id: 6d33a476b4 (このIDを非表示/違反報告)
大手裏剣(プロフ) - 藤雲ルアリナさん» あああ!お喜ばれる小説を書けていたようでとても嬉しいです!やる気でますね……頑張りますね! (2020年4月8日 15時) (レス) id: fe109e5f3f (このIDを非表示/違反報告)
藤雲ルアリナ - 世界観、空気、文体、ストーリー、もう何もかも好みです!毎回更新楽しみにしてます! (2020年4月8日 0時) (レス) id: 3165ea2c89 (このIDを非表示/違反報告)
大手裏剣(プロフ) - 氷浦メグさん» ひえぇっありがとうございます泣 これからも暇潰しにでも覗きに来てください… (2020年3月13日 17時) (レス) id: 54569fedb3 (このIDを非表示/違反報告)
氷浦メグ(プロフ) - 初見です。尊いですありがとうございます! (2020年3月13日 13時) (レス) id: 3357bae399 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:愛之助 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/oh19years/
作成日時:2019年2月16日 22時